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2024.03.26

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日代表 伊藤礼樹氏と難民政策の課題を考えるワークショップを開催

 3月22日(金)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日代表の伊藤礼樹氏が本学今井尚生学長を表敬訪問しました。本学はこれまで、「国連デー in 西南学院」の開催、「難民体験シミュレーション」「難民映画祭」の実施、また移民・難民問題に関する公開講座を開講するなど難民問題に高い関心を寄せてきました。
 まず、懇談の席では、日本に住む難民の状況や支援について意見交換が行われ、その後、伊藤氏を講師に迎え、「日本の難民政策の課題と対応」と題して本学院の大学生・高校生・中学生が参加したワークショップを行いました。
 ワークショップでは、まず学生から、「難民支援について学生や一般市民に期待されていることは何か」、「UNHCRの立場から日本政府の難民支援に対する姿勢」についてなどの質問が寄せられ、それらの質問を踏まえて、伊藤氏から「世界の難民状況とUNCHRの活動」と題して講演がなされました。
 講演では、難民の定義(国外にいる、迫害紛争から逃れる、帰国できない)から始まり、難民は滞在国の法律を守る義務がある一方、不法滞在を理由に逮捕されない権利や自国に強制送還されない権利があることなど、難民が持つ特別な権利について説明がなされました。また、難民の約74%がグローバル・サウスに集中している世界の難民の状況、1978~2022年まで約3万人を受け入れている日本の難民の状況にも触れ、日本にいる難民が直面する教育や雇用、行政手続きなど現実の問題にも言及されました。
 参加した学生からは、「難民が発生するのは全て政治の問題であるという言葉が最も印象に残った。中東情勢を含めて国際社会の動向をより注視したい」、「難民支援のひとつである情報を発信するということは、学生の立場でも携わることができるため、まずはこれにチャレンジしたい。そのために今まで以上に難民問題に興味・関心を持ち学びたい」との感想が寄せられました。
 ワークショップ終了後も伊藤氏に熱心に質問する学生も多く、本学の学生にとって難民問題についての学びを深める有意義な機会となりました。