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2023.10.26

社会連携課主催、外国語学部・経済学部共催、福岡アジア文化賞歴代受賞者学術交流事業「パラグミ・サイナート氏と学生によるディスカッション」を実施しました

 10月20日(金)、第31回福岡アジア文化賞大賞のパラグミ・サイナート氏をお招きし、「声なき人びととは?彼らにとっての自由とは?」というテーマで本学学生(外国語学部、経済学部、留学生別科)とディスカッションを行いました。
 
 インドでジャーナリストとして活躍されるP. サイナート氏は、インド農村の現状を農民の視点を通して取材し、農村が抱える問題の中でも、特に自殺を取材してきました。2014年には、デジタル・ジャーナリズムのプラットフォーム「People's Archive of Rural India(農村インド民衆文書館)」を設立。若手ジャーナリストを育成し、大規模開発や企業型農業経営、地球温暖化によって村を追われた農民たちの現実を多言語で発信しています。これまでに国連食糧農業機関ベルマ賞(2001)や「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるラモン・マグサイサイ賞(2007)などを受賞されました。

 ディスカッションでは登壇した学生たちから多数の質問が寄せられました。甲斐 愛華さん(外国語学部2年)の「インドの農村では、困窮からの自殺など、辛い場面を数多く取材し、自身も辛い思いをしてきたと思うが、それでも取材を続けるのはなぜか?」との質問に、サイナート氏は、「インド農村の言語や民族は多様性に富んでおり、インドの豊かさの象徴と言える。そして、大変な極限状態の中でも勇敢さや活気あふれる様子が見られ、そのような農民の美しい姿にエネルギーをもらっているからだ」と回答しました。

 ディスカッションの最後には、サイナート氏より「若者は正義のために学ぶべきであり、戦うべきである。正義がどこにあるのかを見失わないで欲しい」と学生らにメッセージを贈りました。サイナート氏の豊かな経験談から、学生たちはインドの農村に対する理解を深めるとともに、ジャーナリズムと正義の大切さについて学ぶことができました。

パラグミ・サイナート氏について▼
https://fukuoka-prize.org/laureates/detail/de88519f-9b41-45c8-9e0d-bfdbb241e3a7

People's Archive of Rural India(農村インド民衆文書館)について▼
https://ruralindiaonline.org/en/