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2023.07.03

読書教養講座を開催しました(6月30日開催)

 6月30日(金)、作家の温又柔(おんゆうじゅう)さんを講師に迎え、「はざまで紡ぐ物語」というテーマで読書教養講座を開催しました。会場となった西南コミュニティーセンター、約130人の教職員や学生、一般の聴講者が参加しました。
 温又柔さんは、台湾生まれで幼少期に来日。2009年に「好去好来歌」ですばる文学賞佳作を受賞し、作家デビュー。2015年に「台湾生まれ、日本語育ち」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、2020年に『魯肉飯のさえずり』で織田作之助賞受賞。幼少期から日本語や台湾語が飛び交う家庭で育った影響から、複数の言語を用いて様々な痛みを抱える人たちの葛藤を描く作風で知られています。
 温さんは講演の中で、「詩や小説は読むものであるが、文字に表れていないものがある。それはそこにしかない音であり、人間が必要としているものは本の中にある」と温さん独自の感覚から活字を読む意義に加えて音と言葉の関係性について語りました。
 また、講演後には本学国際文化学部の学生とのトークセッションが行われ、「私は『普通』という言葉を常に問い続けている。世の中には自分は普通の人間だと思っているマジョリティー側の人と自分は普通じゃないとマイノリティーを抱えている人がいる。マジョリティーだと思っている人には自分自身を疑ってほしい。そして、マイノリティーだと感じている人は世間にひれ伏すことをやめてほしい」と語り、温さんの世界観に参加者は熱心に聴き入っていました。