2023年5月12日（金）、百年館（松緑館）において、大西晴樹氏（東北学院院長・大学学長）をお招きし、「西南学院バプテスト資料室に期待するもの」と題して西南学院バプテスト資料室記念講演会を開催しました。

 講演に先立ち、西南学院バプテスト資料保存・運営委員会委員長である金丸英子教授（神学部）より挨拶があり、この度の西南学院バプテスト資料室（以下、「資料室」という）開設は、1976年、当時干隈にあった神学部の「西南学院大学神学部資料室」の設置に遡ることやこの資料室が西南学院の建学の精神を伝え続ける使命を担っていることなどについて述べられました。

 講演の中で大西氏は、はじめに東北学院史資料センターの具体的な事例紹介をしつつ、その運営と役割だけでなく、各種資料を正確に保存しなれければ歴史を紡ぐことができないことなど資料センターの意義について語られたました。その後、オックスフォード大学が設立している「Center of Baptist Studies in Oxford」で学ばれたご自身の経験を基に、サバティカル休暇を含め、牧会の継続発展への支援を行う重要性、関連領域の学位取得を目的とする研究者にコレジの構成員資格を付与するなどの具体的な取り組み事例を紹介されました。そして、おわりに西南学院バプテスト資料室に期待するものとして、現実にはどのように資料を収集・保存し利活用するのか具体的なプランの構築が必要であること、教派・教会と乖離した資料室とならないために宣教研究所と一体となり牧師がサバティカルの度にリメディアル、リスキリングの場として資料室を利用できるようにすることが必要であると述べられ、講演を締めくくられました。

 なお、最後に資料室開設を記念して、大西先生より、以下の3冊の貴重書をご寄贈いただきました。ご寄贈いただいた貴重書は学院史資料センターで展示を行う予定です。

・Daniel Featley, The Dippers Dipt, London, 1645（初版）.

・Wiilliam Orame (ed), Remakable Passagein the Life of William Kiffin, London,1823（初版）.

・W. T. Whitley（ed）, A Baptist Bibliography,vol.1, London, 1916（初版）.