OPEN

2022.07.12

外交官による講演会「日本外交と国際法〜外交実務の現場から〜」を開催しました

 7月6日(水)、「日本外交と国際法〜外交実務の現場から〜」と題し、外務省国際法局国際法課長・大平真嗣氏による講演会(オンライン開催)が4-302教室で行われました。この講演会は、法学部国際関係法学科・根岸准教授の講義「国際法Ⅰ」の中で開催されたもので、受講生を中心に約100名の学生が参加しました。

  大平氏は、「実務における国際法」というテーマで講演。外務省での業務内容や身近なニュースから考える国際法上の論点、国内法とは異なる国際法の特徴、国家間における国際法の役割などを元ICJ・ヒギンズ判事の「国際法とは、有権的な意思決定の継続的なプロセスである」といった言葉を引用しながら分かりやすく解説しました。学生たちは、外交官として日々国際法に接し、最前線で活躍する大平氏の言葉に聞き入り、また、講義の終盤に行われた質疑では、日本の今後の対中政策に関する質問や外交官を志したきっかけ、学生時代にやっておくべきことなど、積極的に質問を投げかけました。
 最後に大平氏は、「学生時代には、何か一つ胸を張って頑張ったと言えるものを見つけてほしい。それによって社会人としての責任感や行動が培われる。ぜひ皆さん頑張ってください」と学生たちを激励し、講演会が終了しました。

  受講した学生からは、「外交には駆け引きがあり、その中で重要になってくるのが国際法。外交官は平和を守っていく仕事だと思った」「国際法は物事をはっきり白黒に分けるのではなく、グレーの部分をどれだけ白で、どれだけ黒かを判断していくという特徴があることを知り、物事が複雑化していく今の世界において必要な考え方であると感じた」「正解のない問題だからこそ自分で考え、意見を持つことが重要なのだと気づいた」といった多くの感想、コメントが寄せられました。
 学生にとって、国際法を学ぶ意義とその重要性を実感し、また、将来について考える貴重な機会となりました。