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2022.07.08

長崎大村医療訴訟講演会「今、入管施設の中で起きていること」を開催しました

 6月30日(木)、2-407教室にて長崎大村医療訴訟講演会「今、入管施設の中で起きていること」が開催されました。この講演会は、国際法学習プロジェクト・KARDIANIA模擬入管の活動の一環で実施されたもので、入国管理や難民保護の国際法に関心のある約70名の学生が参加しました。
 昨今の日本の出入国在留管理制度は、外国人の長期収容を常態化させています。九州でも長崎市大村入管センターに収容中の男性が適切な治療を受けることができず、健康状態を悪化させています。その男性は被収容者の「健康への権利」を求め、国を相手に医療訴訟を提起しました。
 講演会では、本訴訟を担当している稲森幸一弁護士・辻陽加里弁護士から、出入国在留管理制度の問題点や本訴訟の動向、国際人権法と社会の関わりについて説明がなされました。稲森弁護士は、被収容者とのやり取りに生じる言語の問題や難民条約が適用される条件への課題、客観的根拠がない場合の主張立証上の問題など、担当者ならではの視点から入管問題の実情を解説。辻弁護士からは、世界各国と比較した日本の難民認定率の低さ、日本における外国人収容の現実、本訴訟の争点などについて詳しく説明がなされました。
 参加した学生からは「入管という施設があることすら知らなかった。より多くの人に入管施設の現状について知ってほしいと思った」「外国と比べて日本は、なぜ難民をあまり受け入れてないのかいまいち分かっていなかったが、今日の講義を聞いて分かった」 「どうして日本は外国人に対して、非人道的な扱いができるのかという疑問を持ち続けていきたい」といった感想が寄せられ、参加者は日本の入管問題へ関心を深めました。

国際法学習プロジェクト・KARDIANOIAの活動については、こちら。
https://www.seinan-kardianoia.com/



左から辻陽加里弁護士、稲森幸一弁護士