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2020.05.31

学長からのメッセージ(C.K.ドージャー先生記念日に寄せて)

2020年5月31日

 学生、教職員、関係者の皆様


C.K.ドージャー先生記念日に寄せて

学長 G.W.バークレー

 
 学生、教職員、関係者の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、不安な日々をお過ごしのことと思います。本学では、先日ホームページに掲載したとおり、前期授業を全て遠隔授業で行うこと、また定期試験についても中止することにいたしました。学生の皆さんは、これからどうなるのだろうと心配されていると思います。特に、新入生の皆さんは、教職員や友人たちに接することもないまま、本学に在籍していることを実感できずに過ごしているのではないかと想像し、心苦しく思っています。
 この未曽有の事態において、まずは学生の皆さんの命を守ることを第一に考えた上で、どのような教育及び生活の支援ができるか教職員で協議し、最善を尽くしていきます。現在は、経済支援を行うとともに、就職課によるオンラインでの相談、図書の予約貸し出しなど一部機能の回復に取り組んでいます。長い自粛生活で辛い日々が続いていることと思いますが、何の心配もなく皆さんとお会いできる日まで、しばらくご辛抱をおかけすることをご理解いただければと思います。
 さて、この度、私から本学の状況や取り組みについてのメッセージをホームページにて発信させていただくことにしました。本学関係者の皆様の不安や心配が少しでも和らぎ、皆さんとのきずなが深まることを期待しています。
 今回は、西南学院の創立者である「C.K.ドージャー」について、ご紹介いたします。
 本日(5月31日)は、「C.K.ドージャー先生記念日」です。これは、創立者のC.K.ドージャーが死去した日が1933年5月31日であるため、功績を称え、制定されたものです。C.K.ドージャーは、1879年に米国ジョージア州ラ・グレインジュの町で生まれました。13歳でバプテスマ(キリスト教の洗礼)を受けたドージャーは、1906年9月、南部バプテスト連盟外国宣教局(ミッション・ボード)の宣教師として来日し、宣教活動を始め、1916年4月、「私立西南学院」を創立しました。
 創立当初は、福岡市初の男子の私立中学校として、当初104人の生徒と9人の教職員でスタートしましたが、実は創立間もない1918年から1920年にかけて「スペイン風邪」の大流行に見舞われています。当時の新聞記事によると現在と同様に福岡でも教育活動は大きく制限されたようで、ドージャーも西南学院を維持し、学生への教育機会の確保に大変苦労したことが想像されます。
 西南学院では、建学の精神として「Seinan, Be True to Christ”(西南よ、キリストに忠実なれ)」という言葉を掲げています。これは、ドージャーが死の間際に発した遺訓であり、創立104周年を迎えた今でも、学院において大事にしている言葉です。この建学の精神を引き継ぐために、本学においては、キリスト教に関する講義はもちろんのこと、週3回のチャペルの時間を通じて、人間教育を行ってきました。コロナウイルス対策で施設への立ち入りが制限されている現在でも、YouTubeにおいてチャペルの講話を配信し続けています。
 ドージャーが亡くなった後、西南学院はアジア・太平洋戦争、大学紛争等様々な危機に直面してきましたが、建学の精神のもと、学生、教職員、関係者の皆様のご協力・ご支援により、これらの困難を乗り越えて発展してきました。未曽有の困難に直面している今こそ、ぜひチャペルの講話に触れ、少しでも西南学院の精神を感じていただけるのであれば、とても嬉しく思います。建学の精神のもとに心を合わせて共に困難を乗り越えていきましょう。