西南学院大学大学院学則(抜粋)
(大学院の目的)
第2条 大学院は、本学の建学の精神に基づき、学術の理論及び応用を教授研究し、研究者としての深い学識及び卓越した能力を培い、また高度の専門性が求められる職業を担うための高度の専門的知識・能力及び卓越した指導力を育成し、文化の進展に寄与することを目的とする。
大学院は、前項の目的を達成するため、創造性豊かな優れた研究・開発能力をもつ研究者、確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員、高度な専門的知識・能力をもつ高度専門職業人、地域等の基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある教養人などを養成するものとする。
(1) 法学研究科
法学研究科は、法学、政治学の広範な領域に亘る通時的、共時的視野に立つ教育研究を通して、基礎法学、国内実定法学、国際関係法学及び政治学の各分野において、精深な学識をもって創造的学術研究を担う卓越した研究能力と教育ニーズに応え得る確かな教育能力を備えた研究者を養成するとともに、今後の知識社会の基盤を担う人権感覚と批判精神に富んだ知的人材を養成する。
博士前期課程においては、講義と演習を通して各自の研究課題を発展させ、自律的な研究能力を有する研究者及び広い視野に立った学識を有する専門職業人を養成することを目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で身に付けた専門的知識・技能を深化させ、体系的な研究業績を達成し、創造性豊かな優れた研究・開発能力をもつ研究者、高度な専門的知識・能力をもつ高度専門職業人を養成することを目的とする。
(2) 経営学研究科
経営学研究科は、グローバルな視野と高度な専門性に裏付けられた独創的な知見と倫理観を備えた研究者や高度専門職業人の育成を目的とする。そのために、経営学・経営情報学・商学・会計学の各学問領域において、経営学研究科の伝統と特色を生かしつつ、現代社会の要請に応えた専門知識を教授することを通して、時代を先導するリーダーとして大学・研究機関及び産業界の発展に寄与する人材を養成する。
博士前期課程においては、経営学・経営情報学・商学・会計学の各領域における実践的な知識と技能を講義と演習を通して強化し、現代のグローバルな経営環境で求められる問題解決能力とリーダーシップをもつ専門職業人を養成することを目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で培った専門的知識や技能を深化させ、独自の研究課題に取り組むことを通じて、経営学の発展に寄与する体系的な研究を行う能力を養う。高度な理論的探究と実践的応用のバランスを取り、特に現代経営における社会的課題に対する研究を推進することで、創造的な研究者や高度専門職業人を養成することを目的とする。
(3) 外国語学研究科
外国語学研究科は、英語・フランス語・外国語としての日本語の卓越した運用能力の養成を共通の基盤として、国内外の対人・組織・異文化・教育・ビジネス・メディアなどにおける人間関係の諸問題に関心を持ち解決を試みるコミュニケーション学、言語の統語・意味・音声など理論的構造を理解し、さらにその応用として外国語教育のあり方を考察する言語科学、あるいは英語圏・フランス語圏の文学・芸術作品の理論的側面・社会的背景・作品の読解法などを教授する文学文化のそれぞれの領域において、専門知識を極めつつ、かつ学際性を備え、世界の多様性を尊重して諸問題の解決に取り組み、国際社会において活躍・貢献できる優れた研究者及び専門的職業人などを養成する。
修士課程においては、講義と演習を通して、コミュニケーション学、言語科学、文学文化の各プログラムにおける各自の研究課題を発展させ、研究会・学会などに参加・発表することで、広い視野に立った学識を有する専門職業人を養成することを目的とする。
(4) 文学研究科
文学研究科は、英語、フランス語を中心とする言語並びに英語圏、フランス語圏の文化、社会及び表象に関わる教育と研究を推進し、深い人間性の理解を持ち、国際的視野を備えた研究者及び高度専門職業人などを養成する。
ア 文学研究科英文学専攻
文学研究科英文学専攻博士後期課程は、英語を中心とする言語、文化及び表象に関わる学術の理論及び応用の基礎的及び先駆的な教授・研究の推進を通して、高度の専門的知識・能力を身につけ国際社会に貢献できる優れた研究者及び専門的職業人などを養成する。
イ 文学研究科フランス文学専攻
文学研究科フランス文学専攻博士後期課程は、フランス語の深い知識及びテクスト読解を基礎として、フランス語圏の社会・文化的諸事象に関する専門的知識を涵養し、深い人間性の理解及び国際的視野を備えた優れた教育・研究者及び高度専門職業人などを養成する。
(5) 経済学研究科
経済学研究科は、国際社会のグローバル化に伴い国内社会の将来像が急速に不確実化する中、様々な職業分野で経済に関する高度な専門的知識に基づく意思決定が求められる時代的要請に応えるため、経済理論、経済政策及び国際経済に関する幅広く深い学識の涵養を図り、研究職を含む高度専門職を担う優秀な人材を養成する。
博士前期課程においては、講義と演習を通して経済学の専門的な知識・技能・思考法と広い視野に立った学識を涵養し、経済学研究の基盤をもった専門職業人を養成することを目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で身に付けた専門的知識・技能の応用力をさらに高め、経済学的課題への強い関心と思考・判断・表現する卓越した研究能力を有し、経済学研究の成果を通じて社会の発展に貢献できる研究者や高度専門職業人を養成することを目的とする。
(6) 神学研究科
神学研究科は、聖書及びキリスト教思想・哲学を中心とする文献の研究を通じて、広い教養、高い倫理性及び総合的な判断力を身につけ、現代における人間の心、宗教及び社会の諸問題に柔軟に対応する優れた研究者並びに社会において中核的な役割を担いうる人を養成する。
博士前期課程においては、講義と演習を通して主体的に研究課題を展開する力を養うとともに、キリスト教的な価値観や倫理観の学問的理解を深める。基礎科目によって広い学問的視野と学識を培い、展開科目ではそれを基盤とする実践的な力を養い、豊かな学識を有する専門職業人の養成を目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で身に付けた専門的知識と実践的な視点を深化させ、体系的な研究業績を達成し、創造性豊かな優れた研究力をもつ研究者、高度な専門的知識とそれに裏打ちされた実践的な力を具える高度な専門職業人の養成を目的とする。
(7) 人間科学研究科
人間科学研究科は、人間に関わる諸問題に取り組むことができる高度で専門的な知識、能力及び技術を身に付け、教育・保育、福祉、心理、医療及び関連分野において、総合的判断力を擁する高度専門職業人、幅広い視野を有し人間関係を調整及び支援できる優れた専門家、先進的な課題に取り組む研究者などを養成する。
ア 人間科学研究科人間科学専攻
人間科学研究科人間科学専攻は、現代社会の人間に関わる諸課題に取り組むことのできる高度な専門的知識及び研究能力を教授し、教育、社会福祉、心理等の分野で、総合的判断力を要する高度専門職業人、先進的かつ総合的な課題に取り組む研究者などを養成する。
博士前期課程においては、講義と演習を通して研究課題を発展させ、教育、社会福祉、心理にわたる広い視野に立った学識を有する専門職業人を養成することを目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で身に付けた専門的知識・技能を深化させ、体系的な研究業績を達成し、創造性豊かな優れた研究・開発能力をもつ研究者、高度な専門的知識・能力をもつ高度専門職業人を養成することを目的とする。
イ 人間科学研究科臨床心理学専攻
人間科学研究科臨床心理学専攻修士課程は、複雑な現代社会において、臨床心理学の立場から、教育、福祉、医療などの分野において、幅広い人間理解ができる視野を有し、かつ人間関係調整力をもって柔軟に支援ができる優れた専門家を養成する。
(8) 国際文化研究科
国際文化研究科は、人類がこれまで創造してきた多様な文化を地域文化及び比較文化の視点からとらえ、文化に関する高度な専門的知識と国際的視野をもって基礎的・先駆的な学術研究を推進し、国際社会に貢献しうる、優れた研究者及び高度専門職業人などを養成する。
博士前期課程においては、学術的な動向と社会的な要請をふまえて見出した課題を、講義と演習を通じて修得した専門知識と方法論を活かして主体的に解決し、地域文化と国際社会の発展に貢献しうる、豊かな教養と柔軟な思考力を備えた研究者及び専門職業人などを養成することを目的とする。
博士後期課程においては、前期課程で修得した専門的知識と方法論を拡充し深化させ、独自の学説を厳密かつ体系的に構築するとともに、その成果を社会に還元することで新たな文化的・学術的価値の創出に貢献しうる、鋭敏な批判精神と先進的な創造性を備えた研究者及び高度専門職業人などを養成することを目的とする。