私は、大学を卒業してから法曹を目指すようになったので、司法試験の情報や受験仲間もおらず、不安を抱いていました。本学を選択した理由は、設備や立地等、勉強をする環境が整っていると思ったこと、出身高校も西南学院であり、馴れ親しんだ場所で勉強しようと思ったことからです。
　本学で学び、最も良かったことは、一人で勉強していては出会えなかったであろう最高の仲間に出会えたことです。本学は学年、年齢を問わず学生同士の交流が深く、私自身も友人に恵まれ、公私にわたる悩みや苦しみを共有しながら共に頑張ることができたため、一度も諦めようと思ったことはありませんでした。そうした仲間とゼミを組み、また、互いに相談し合いながら、より効率的な学習ができたと思います。
　また、本学は先生方が非常に熱心に指導してくださるため、安心して信頼することができました。司法試験に役立つ勉強法とは何か、自分では分かりませんでしたし、不安も大きかったのですが、学校の授業を第一に考え、一生懸命取り組みながら、先生方がくださるアドバイスを実践するようにしました。本学の先生方は、学生の主体的な要望に応えてくださり、また、学生に授業の仕方等について意見を求め改善しようとする熱意を持っておられます。だから私も先生方を信頼できたのだと思います。事務室の方々も温かく、非常に親切な方ばかりです。私は決して目立つ学生ではなかったのですが、事務室の方々は学生一人一人の名前を覚えてくださっており、それだけで嬉しかったのを覚えています。これも本学の自慢の一つだと思います。こうした一つ一つのことが学生の心の支えになっているのだと実感しています。
　このような友人や先生方、事務室の方々に出会えて、私は本当に恵まれているのだと感じました。だからこそ、私は１年次から、ほとんどの時間を学校で過ごし、長く辛い道のりを、一度も心折れることなく走り続けることができたのだと思います。これは勉強に関しても同じだと思います。一人きりでひたすら勉強をしていても方向性を誤り、遠回りをしてしまうおそれがあります。もっと怖いのは、一人ではそれに気づけないことです。ですから、これから司法試験を目指す方々も、本学での出会いを大切にし、諦めることなく頑張ってほしいと思います。より多くの方が本学から合格されることを祈っています。
　最後に、入学前は本学の長所は施設等の充実だと思っていましたが、今は、本当の長所は「人」だと感じています。本学で出会った方々、本当にありがとうございました。
［2010年10月記す］