#18 国際交流の現場で学びを深める/国際交流基金関西国際センターインターンシップ

OVERVIEW
国際交流の現場で学びを深める/国際交流基金関西国際センターインターンシップ
外国語学部のFLS-Outreachプログラムの一環で、夏休みに国際交流基金関西国際センターに2週間滞在した@Sayakaさん。43カ国から来た43人の日本語研修生との交流を通しての体験をお話しいただきました。
外国語学部のFLS-Outreachプログラムの一環で、夏休みに国際交流基金関西国際センターに2週間滞在した@Sayakaさん。43カ国から来た43人の日本語研修生との交流を通しての体験をお話しいただきました。
この記事に登場するSEINAN PEOPLE
@sayaka
外国語学部外国語学科2年 山田ゼミ(多文化共生)、国際交流サークルC³所属 ※取材時情報
国際交流基金関西国際センターでのインターンシップに挑戦
本日はよろしくお願いいたします。このプログラムに応募したきっかけを教えてください。
@Sayaka 1年生のときにアメリカ・デラウェアに留学した事がきっかけです。留学先の大学に集まる多国籍の学生たちの中に身を置く中で、日本では決して出会うことのできない、様々な外国人の友人と出会い、戦争や宗教問題など様々な問題に触れ、国際的相互理解や国際協力の必要性を感じました。それを自分の感情だけに留めておくのでなく、具体的に何か行動に移したいと思ったのがきっかけです。
ー国際交流基金関西国際センター(以下、JFKC)とはどういうところですか?
@Sayaka 関西空港の対岸のりんくうタウンの中にある国際交流基金の附属機関で、世界の各地の日本語学習者や、外交官や研究者等、仕事で日本語を必要とする方への日本語研修、日本文化研修、e-learning中心とした日本語教材開発を行っています。日本文化を世界に発信する「文化外交」にも力を入れています。
ーどのようなスタッフがいらっしゃるのでしょう。
@Sayaka 同センターには、日本語の先生方、事務系職員の方、受付や警備の方など様々な職種の方がいらっしゃいます。印象的だったのが、センターのあらゆる職種の方全員が親切で、一つひとつの仕事の端々から親切さやおもてなしの精神が感じられたところです。大げさかもしれませんが「日本を好きになってほしい」「日本語を通して外交関係を良くしたい」という気持ちがセンター全体にあふれていました。
―インターンの事前準備はどんなことをしましたか。
@Sayaka 意外なことに、事前研修はほとんどありませんでした。不安になって担当の方にメールでお尋ねしたのですが、「気楽な感じできてください」という感じで。ゼミの山田先生にもご相談しましたが「個人情報などの問題もあるし、その場で対応できる人を求めているんじゃないかな」とのことでしたので、このための特別の準備はせずに行きました。
ーインターンでの1日はどんな感じでしたか。
@Sayaka 私がインターンを行った時期は、ちょうど各国成績優秀者の日本語研修が行われていました。9時~12時は日本語研修生の授業のサポート。13時~15時まで日本文化に触れる教育プログラムの支援。そして、15時~18時は日本語e-learning学習サイトの検証など、事務的な仕事をサポートしました。

異文化理解の現場から:各国成績優秀者と歩んだ日々
各国成績優秀者の研修とはどういう方が対象なのですか?
@Sayaka 各国の大使館で選考された日本や日本語に興味のある外国人のための研修です。アジアやアフリカからの参加が多く、ラオスやウズベキスタン、アゼルバイジャン、キルギス、カザフスタン、イラン、エクアドル、コートジボワール・・・など世界各国から、日本語検定試験等で選抜された代表者43カ国43人が集まっての研修でした。日本語能力には国によって差があり、日本に近い国ほど日本語能力が高い印象でした。
―研修者は、どのような動機で日本に来ているのでしょうか。
@Sayaka 「アニメ」の影響が大きいです!「ワンピース」や「呪術廻戦」は、世界中で大人気ですが、皆さん私の知らないマイナーなアニメもよくご存じでした。その他、日本の治安の良さや、日本人の丁寧さや優しさが好きでいてくれる人も多かったです。日本語の表現の豊かさや美しさに惹かれて、和歌などにも興味を持っている人もいました。
―浅野さんの話し方やしぐさなど、とても丁寧でおしとやかなので研修生もハッとしたのでは。
@Sayaka そうですか(笑)。普段の私はまったくそんな感じじゃないんですよ(笑)
―印象的な出来事はありましたか?
@Sayaka 43か国43人の研修生の、大阪日帰りと東京1泊2日の研修旅行に随行させていただいたことでしょうか。大阪は大阪城、東京は浅草や深川の資料館に行きました。深川の資料館は、江戸時代の街並みが復元されており、私自身も研修生たちも楽しみました。

文化の違いを乗り越えて
研修旅行随行でご苦労などありましたか?
@Sayaka 本当にみんな時間を守らなくて!!そもそも、時間を守るという概念がないので困りました。日本人は5分前に着くのが普通なのに、30分後にくるのが普通。コロンビアの研修生から「コロンビアは10時に約束したとしても11時に到着すればよいのに」と言われて、啞然としました。
―どう対応されましたか。
@Sayaka 「時間を守るのは日本の文化だし、それは思いやりに通じている。日本に来たら、日本の文化に合わせるのがよいと思うよ」と、一人ひとりに一生懸命説明して、わかってもらえました。それでも遅刻する人は多かったけど、せめて、目的場所まで走ってくるように変わりました(笑)。
―浅野さん自身、この研修で心掛けていたことはありましたか。
@Sayaka 私は、いわゆる「ガクチカ」のためでなく、国際交流そのものが好きでインターンに参加したので、その気持ちは、研修生や先生方に伝わったかもしれません。研修旅行の際もできる限り研修生たちと一緒にいたくて、自由時間も研修生に自分から声をかけて、仲間に入り、一緒に食事をしたり、観光したりして過ごしました。センターの先生方からも、「こんなに研修生と仲良くなったインターン生は初めて!」と驚かれ、嬉しかったです。

インターンシップの経験から得たもの
本学からのJFKCインターン生第1号と伺っていますが
@Sayaka はい。同センターは有名国立大学の学生を中心に受け入れており、本学からは初めてでしたので緊張しました。でも、インターン期間は、私一人で比較対象がいませんでしたので、日報に書いてもらった先生のコメントを参考に、良いと思ったことを自己流で思い切ってやる感じでした。
留学中も含めてこれまでに養われた全て・・・度胸とか、意志を強く持つこととか、外国人との関わり方など・・・総合的な力が試された感じがします。
―インターンシップでの体験を一言であらわすと。
@Sayaka とにかく楽しかったです。授業も楽しかったし、国際交流基金の業務も楽しかった。アルバイトなどで仕事はしんどいものと思っていたけど、こんなに楽しいんだ!と思いました。そして、自分の適性や好きなこともよくわかり、国際機関で働きたいという将来の新たな目標ができました。
@Sayaka そういえば最近ショックなことがありました。イラン人の研修生がグループチャットで「イスラエル銃撃で、近くの空港が爆破されたから先に御礼を言っておく」とメッセージを送ってきたんです。自国に帰った途端、このような状況に身を置く人がいることがショックでした。私にできる事は限られているけれど、将来「日本語を通して外交関係を良くする」仕事に就きたいと思っています。
―最後に学生にメッセージをお願いします。
@Sayaka 大学に入ってからは、上手くいかない事の方がたくさんありました。自分が何を目指せばよいのかよくわからず、ただ毎日を過ごしてだけの生活が嫌で、サークルや国際交流、勉強など様々なことに挑戦しましたが、何をしても将来の自分が見えない毎日でした。でも、「このままじゃだめだ」と思い、アメリカに留学を決めた結果、自分は本当に英語や国際交流が好きなのだと実感でき、TOEICやIELTSの勉強も楽しくなって良い成績を修めることもできました。
また2年次でのJFKCでのインターンを通して自分が将来何をすべきなのか、何が好きなのかが明確に見えてきて、今では授業科目の選択や、その他の活動など目的を持って行えて、今までよりもはるかに楽しく感じられています。最近は好きな授業や先生にも出会い、時には真剣に話せる友人も増え、毎日が充実しています。
悲観せず自分にできることを探していたら、人生の考え方が変わるようなチャンスに出合えて道が拓けてきた感じがします。この大学は、頑張る人を応援してくれる様々な制度があるので、皆さんも目の前のチャンスを探しながら、大学生活を充実させてほしいなと思います。

本日はありがとうございました。これからの活動を応援しています!
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