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#05 【後編2/2】自分達でやり遂げた糸島市とのイベント【外国語学部・山田ゼミ】

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OVERVIEW

#05 【後編2/2】自分達でやり遂げた糸島市とのイベント【外国語学部・山田ゼミ】

今回は、外国語学部・山田智久先生のゼミについて、ゼミ生の方々のリアルな声と活動内容をお伺いします。山田先生からのミッションを受け、ゼミ生たちは多文化共生社会に係る社会課題を実装することで解決することを目指しているとのこと。前編に続いて、後編では糸島市と実施したイベントについてお伺いしました。

この記事に登場するSEINAN PEOPLE

@Kanaeさん

外国語学部4年生

山田 智久先生

外国語学部教授

@Yumeさん

外国語学部4年生

自分達でやり遂げた糸島市とのイベント

糸島市と実施したイベントについて教えてください。

@Kanae 多文化共生社会を促進するというテーマの下、イベントを実施しました。ただの国際交流イベントではなく、自然発生的で参加者同士が主体的に参加できて、更に一過性のイベントだけど、イベントの後も続くような関係性を作るということを目標に、企画立案からイベント運営まで携わりました。イベントでは、二見ヶ浦でのフォトコンテストやオリジナルパズル作りをおこないました。

糸島市に関わらずに、地域社会の中で、小さな問題を解決できる社会になってほしいという思いも込めています。

参加者が30名中3名しか集まらない、イベント開催前に大ピンチ

初めてのイベント開催で困ったことはありましたか。

@Prof.Yamada  ありすぎるんだよ。(一同笑)

@Kanae まず、私たちイベントを企画・運営する経験値が全くない中でのスタートでした。参加者の募集という点でいうと、日本人と外国人の区別なく、地域の社会構成員として活躍できる多文化共生社会を作るという目標でしたので、募集対象も「糸島市在住通勤通学する方」という記載にしていたのですが、なかなか思い通りに行かず、糸島市と議論を重ねることもありました。

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山田先生の指摘に思わず

最初は3名しか集まらなかったって本当ですか。

@Kanae 本当です。甘く見てました。募集当初は30名ぐらいは集まるんじゃないかと思っていました。募集から2週間経って、応募状況を確認したら、3名しか集まっていなくて、大きなショックを受けましたね。そこからは、結果を真摯に受け止め、どうしたらイベントへの想いや内容が伝わるかを真剣にゼミのみんなと考えました。

 

3名から定員30名まで持っていくために、どのように工夫されましたか。

@Kanae まずは私たち社会課題解決ゼミを知ってもらうことから始めました。Instagramを使って、ゼミの理念や、実現したい社会課題に関するコラム等を発信しました。またチラシをDMしたり、糸島市の日本語教室や九州大学関係者の寮に直接足を運んで、説明にいきました。そこからは、参加者が集まるまで、早かったですね。キャンセル待ちがでるぐらいまでいきました。

@Yume 募集の仕方も見直しました。糸島市役所の方から、「多文化共生というメッセージを全面に押し付け過ぎている」という助言をいただいて、押し出す内容をフォトコンテストや国際交流にするなど、参加するハードルを下げることができるよう試みました。

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当日のイベントの様子

フォトコンテストはどのように運営されましたか。

@Kanae 二見浦で撮影会を実施しました。最初は、糸島市の人と「自然の良さを伝える」というテーマを考えてましたが、実際に知らない人がいるグループで自然の写真を撮るのって抽象度が高いことに気づきました。結局参加者にこういったこういうポーズで撮ろうよっていう案を出してほしかったので、参加者がオリジナリティを出せる撮影会にしました。撮影技術ではなくオリジナリティーを重視するから、みんなで意見を出し合ってね!という風に。実際に出来上がった写真は私たちが想像していたものよりもすごくいいものが出来上がってて、私たちの想像以上でした。

 

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フォトコンテストでの風景

山田先生は、イベント運営を学生さんがされているのを見て、何か感じたことはありますか。

@Prof.Yamada  私、まさかの当日欠席なんですよ、公務があって。行きたかった気持ち半分、でも行ってそばでみていたら、もう心配でしょうがないだろうな、という気持ち半分かな。

 結果的にいろいろ話を聞いたり、送って来てくれた写真を見て、行かなくて良かったなと思いましたね。参加したら、きっと学生は私を頼るというか、私の顔色を見るし、「これでいい?先生」と多分なる。本当に結果論ですけど、学生だけでやって良かったと思って、本当に成功したんだなと思いました。糸島市の方からの実施後のお礼メールからも成功したんだなという温度感が伝わりましたね。

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ゼミを通じて成長を感じたことはありますか。

@Yume 2つあります。1点目は「思考力」です。ゼミを通じて、常にどうしてそうなのか、その中で根拠を考えて、本質を見失わずに物事を考えることができるようになったのではないかと思います。

2点目は、「自分の価値観にとらわれずに物事を考える力」です。色々な考えを持ったゼミ生や外部の方と関わりを持つ中で、今まで自分の価値観にとらわれて物事を考えていたと感じることも多かったので、相手の状況を想像したり、自分の価値観が正しいということを前提にしないように心掛けたりするようになったと感じます。

@Kanae 1年前と比較して、変わったなって思うのは「決断力」と「行動力」がついたことです。決断力に関しては、決断に至るまでにしっかりと決断材料を集め、それを実行する、実際にやってみるという一連の過程を経ることができたっていうのが一番大きいかなと思います。
一人で決断することもそうですが、ゼミとして大人数で一つのことを決めるっていう決めるために全員の意見を聞いて合意形成をとったり、時にはリードしてゼミを引っ張る力も、決断力の修得につながったと思います。そして、決断したことを成果に残すために行動する力も、ここ1年でついたのかなと思います。

一つの意見にまとめることは大変な作業だと思います。その過程で、良かったことや困った事のエピソードはありますか。

@Prof. Yamada みなさんが想像される以上に揉めています(笑)まさに衝突ですね。私の胃が痛くなるぐらい。

@Yume 一番大きかったのは考え方の違いだったと思います。お互い顔が見えない状態でSNSを主に使ってコミュニケーションをとっていたので、相手の状況が見えにくかったところもありました。お互いの考え方の違いと相手の状況を把握しにくかったことが重なって、大きなすれ違いになってしまったと思います。

純粋な疑問ですが、学修を少し離れて、オフでどこかに遊びにいったりしましたか?

@Kanae 夏頃にご飯にいきましたが、効果は薄かったなと思います。このゼミは、本音でぶつかりあって、何したいかを決める過程にあっては、表面上の繋がりだけではやはりうまくいかなかったです。

意見の衝突があったからこそ、最後のイベントまで、活動できたのではないかと思いますね。それこそ私たちが先取りした多文化共生のイベントにも通づるんですが、人工的なものってやっぱり上手くいかなくて、私が場を作ってじゃあ仲良くなろうよって思ってもなかなか思うように進まない。一方で、自然の流れで衝突したゼミは、結果的にはうまく作用したのかなと思います。

@Prof.Yamada 5年後ぐらいから徐々に効いてくるんじゃないかな。卒業後すぐにご飯行こう!とはならないかもしれないけど、将来的にパラパラとつながる気がするけど。

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ゼミでの苦労を振り返る@Kanaeさん

今後の抱負をお聞かせください。

@Kanae 社会課題に取り組む人を増やしていきたいです。社会みんなで、社会問題も自分ごととして捉えて行動できるような人を増やしていきたいと考えているので、現在そういった活動に関与できる職を目指しています。

@Yume 将来の目標として、環境に関わらず、どんな人でも夢ややりたいことを追求できるような世の中にすることに少しでも貢献できたらと思っているので、特に社会で弱い立場とされる方々の力になりたいという思いが強くあります。

@Prof. Yamada ゼミの学生たちに関しては、本当によくやったなと思います。お世辞ではなくて。私が西南にやってきて最初のゼミ生なんですよね。外国語学部としても一期生。

過去の私の学生と比べても、本当に遜色がない。しいて言えば1点だけ違うことがあって、在学中に出会う人とか受け取る情報量が少ないことかな。これは事実。なので、これから大学や教員が、学生が得られる機会をもっと増やしていくことで、間違いなく、彼・彼女らのポテンシャルは開花すると思います。経験則からも断言できます。機会がなくて、自分の能力に気づかないで卒業していくのが一番もったいない。大学もっとがんばろう!

@Kanae このゼミはゴールが設定されてないからこそ、自分たちの行動次第で得られるものは無限大だと感じています。今後も培った力を活かしていきたいです。

@Yume このゼミで様々な方と関わりを持つことができて、自分の考えもアップデートされてきたので、今後も様々な人と関わることを大切にして、行動していきたいと思います。 

本日はありがとうございました。今後、益々のご活躍を期待しています!

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ご協力いただいた山田ゼミの皆さん
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