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Week 3

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復習では,具体的な式が外生変数(パラメータ)を用いて,どのように抽象化さ れるかをよく理解してください.また,方程式の解が,一般形でパラメータの みで表わされることを理解してください.パラメータは,静学分析では定数と 同じです.したがって,解がパラメータの関数になると言っても,静学分析で は,パラメータは定数と同じですから解はある一定の値になるわけです.

しかし,それでも解をパラメータの関数として表わす意義は,どこにあるので しょうか.それは,比較静学にあります. オイルショックのようにモデルの外の条件が変化したときに,均衡解がどのよ うに変化するかを見るのが比較静学であることは講義で述べた通りです. この,モデルの外の条件こそが,パラメータが表わしているものです. モデルの外で与えられる条件,すなわち与件が変化したとき,新しい解がどこへ落 ち着くかを見るには,与件を表わすパラメータを変化させればよいことになり ます.

静学分析の時には一定値をとるパラメータの関数として表わされた均衡解は, もちろん一定値になります.均衡解が一定値をとらなければ均衡になりません. これは静学分析の定義そのものです.一方,比較静学の時には,与件が変化したときの均衡 の変化を見ていくのですから,与件であるパラメータも変化します.均衡解は, パラメータの関数になっているわけですから,パラメーターが変化すればそれ に応じて均衡解も変化します. したがって,この時初めて均衡解をパラメータの関数として表わしたことが効 を奏するのです.



Copyright: Wataru Shito
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