講義範囲
陰関数定理は,経済分析をする上でとても重要な役割を果たすので,よく理解 しておくこと.また,単に定理を暗記するのではなく,それが経済分析の上で どのように用いられるか,なぜその定理が必要とされるのかを,今回講義した 例を通してよく理解しておくこと.
また,陰関数の形で与えられた式が陰関数定理を満たす場合,導関数を導出す るには全微分が欠かせない.したがって,全微分についてもよく復習しておく こと.
今回は,1本の方程式で描写されるモデルについて比較静学を行ったが,次回 はさらに発展させ,複数の方程式で描写されるモデルの比較静学を行う.複数 の方程式が陰関数の形で与えられたとき,陰関数の定理と全微分を利用して微 分係数を導出し比較静学を行う.式が増えても,本質的には今回の講義までに 学習した1本の方程式のケースと同じである.ただ,記述が行列表示になるだ けである.表示の複雑さに惑わされず,本質を理解するためにも,今回行った 比較静学と行列の復習をしておくこと.