講義範囲
Reading Assignments
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集合の記号での記述の仕方に慣れてください.大事なことは,記号はあくまで も言葉の代わりで,言葉でも説明できるということを常に認識することです. 数学が得意になるには,記号を単純な記号の羅列としてみるのではなく,その 意味するところを読み取り,それを頭の中で自分なりにイメージしてみること が大切です.
かの物理学者フェインマンは,学生時代,非常に難しい計算を含む証明を 先生が黒板に書き進めていったときに, 途中で誤りを見つけることができたそうです.先生は,ど うしてこのような難しい計算についてこれるのかと驚いたそうです.それがで きたのは,フェインマンが確実に計算を解き証明を追っていたのではなく, それぞれの式が出るたびに,自分なりに頭の中でイメージを膨らませ, 最終的に行き着いたイメージと,計算結果の式から作られるイメージを比較す ることによって,誤りを見つけることができたということです.例えば,何かの 式が出てきたら,黒い丸い物体を想像する.その式に,何らかの式が作用する と,黒い物体は,ちりちりの糸屑のようになり,別の式の作用でそれが大きく 膨らんだ,などというようにイメージするのです.
もちろん,経済学で用いる数学などでは,黒い物体などでイメージするより, 単純な図を頭の中でイメージすることが多いでしょう.いずれにしても,数式 や記号を,そのままの記号として認識するのではなく,自分なりに何か意味の あるものに置き換えて,視覚的にイメージすることが大切です.
集合の演算も,そうしてイメージをしていけば,公式を暗記することなく直感 的に解を得ることができます.