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Week 6

講義範囲

ついに,モデルをより現実的な方向へ拡張した.すなわち,政府を導入した 45度線分析を学んだ.前回まで行ってきた,政府のない単純な経済における分 析を理解してきた者には,全く同じことの繰り返しに映ったに違いない.も し,そう思わず,新たに政府支出や租税を導入したことによって増えた変数の 数に圧倒されてしまった場合は,まだ前回までの復習が足りない.本質的には, 前回と何ら変わってはいないからだ.「ああ,やっていることは同じで,ただ, 末尾にGとTがくっついただけだ」と達観できる余裕が欲しい.

結局,どんなに複雑な経済モデルも,始めは非常に簡単で抽象的な経済を想定 して作られる.ひとたびその仕組みが理解出来れば,モデルの拡張は自然と行 うことができる.今後,モデルはいろいろな方向に拡張されていくが,結局のところ,一 つ前の段階のモデルをよく理解していれば,何も恐れる必要はない.拡張した モデルは,本質的には前のモデルと同じで,ただ拡張した部分のみ異なるだけ なのだ.

ところで話は変わるが,投資乗数を求める際,投資が増える前の均衡国民所得と投資が増加した後の均衡国民所得をそれぞれ求めて,差を計算するのは面倒である.傾きと乗数の関係を よく理解し,その関係からすぐに乗数を求められる方が望ましい.

また,傾きを求めることがすなわち微分であることも覚えておくと,今後ミク ロ経済学や他の科目で微分を学んだときに,すんなりと頭に入ってくる.

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Copyright: Wataru Shito
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