プロフィール


 奥 博司(おく ひろし)

  1964年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業後、東京大学法学部助手。1993年西南学院大学法学部講師。94年同助教授、現在にいたる。
 専攻は、民事訴訟法、裁判法。大所高所からの議論を、実務的裏付けを伴いながら論じうるところに面白さを感じており、社会における民事司法制度の役割の考察を研究テーマとしている。まず、裁判によって実現されるべき請求権を、民事保全制度に焦点をあてて考察し、「民事手続における実体権に関する若干の考察」(ジュリスト1021号所収)を発表した。その補足的論文として、「手続保障の第三の波理論に関する若干のコメント」(西南学院大学法学論集27巻4号所収)がある。これらの小論によって、「ものごとを決めるのは議会であり、裁判所は議会の決めたことを執行するのみ。」という発想を批判的に吟味し、積極的な司法制度に関する新たな論拠の一端を示した。また、「和解において実現されるべき請求権」なるものを観念すべきではないか、と考えており、小論を準備中である。成功すれば、さらに、民事裁判の審理の進め方(争点整理)に関するきめ細かな枠組みの提示のための基礎理論にも挑戦したい。他に、民事訴訟法の解釈論に関する小論として、「不動産競売における執行債権者の保護に関する一つの覚書」(西南学院大学法学論集26巻1=2号所収)、「文書提出命令(5)−インカメラ手続」(三宅他編『新民事訴訟法大系−理論と実務』第3巻所収)等があり、この面でも、少しずつ論文を発表して行きたい。さらに、1995年7月から2年間、情報処理センター主任に併任され、本学のインターネット環境の整備に微力をつくしたが、この経験を、何らかの形で、研究活動にも生かして行きたいと思っている。民事訴訟法学会、日本法哲学会等の会員。
 趣味は、相撲、司馬遼太郎と中島みゆき

 注:西南学院大学法学部創設30周年記念誌『Rinascimento リナシメント』p.91から転載しました。
  同誌p.72以下の座談会も、あわせてご覧ください。


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