1997年度(通年)裁判法 中間試験
  (後期試験は、後期担当の小山教授が出題される。)

1. 世界的有名人である美人女優Xが来日し、福岡を訪れたところ、有名人を追いかけ、その写真をマスコミに高額で売り込むことをなりわいとしているパパラッチであるAが、バイクに乗って、都市高速上で、Xの乗っている車を猛スピードで追いかけ、あげくの果てに、百道インター手前で、車もバイクも対向車と正面衝突した。Aは、全治三カ月の重傷。Xも顔面に大怪我をした。Xは、誰に対して、いかなる法的責任を追及することができるか。警察には何というか。相手方が素直に責任を認めなかった場合には、どうすればよいか。

2. その数日後、あなたの両親Y、Y2のところに、福岡地方裁判所から、訴状なる書類が届いた。見ると、Xが、金1億円の支払を求めているとのこと。どうやら、Aが、あなたのバイクを盗み、それに乗ってXを追いかけていたため、あなたが事故を起こしたものと勘違いし、裁判をおこされたようである。両親は、「馬鹿馬鹿しいから、放っておこう。」と言っている。あなたは、どのようなアドバイスをするか。

3. 調べて見ると、Aにはそれほど財産がなく、生活に困ったAの家族は、唯一の財産ともいうべきA名義の土地・建物を売却することを検討している、との情報を得た。Xとすれば、何をする必要があるか。

4. 「世界的ヒロインであるXを傷つけるようなパパラッチのAに、言い訳を聴く必要はない。裁判などせずに、財産を没収しろ。」と、とある三流週刊誌がキャンペーンを張っている。あなたのご意見は。


注 上記の設問のすべてに答えること(裁判法の試験問題であることを忘れないように。なお、設例はすべてフィクションである)。
 根拠となる条文を示しつつ、制度の全体像を説明しながら、個々の論点に答えること。
 書き込みのない六法のみ持ち込みを許可する。

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