1. Gは、Sに 1,000万円を貸し付けていたところ、最初のうちは、約束通りの返済が行われていたが、2年前から、一切返済が行われていない。Sは、家を所有しているので、それを売却して、残金の支払いを行うことを求めたが、Sは、聞く耳を持たない。そこで、Gは、Sに対して、強制的な支払いを求めたいと考えている。どのようにすればよいか。借用証を警察に持参すればよい、という話しを耳にしたが、本当か。
2. S所有の家には、Sが、Aからその家を購入した際に、H銀行から住宅ローンを借り、その際、H銀行のために抵当権が設定されている。登記簿によると、抵当権設定は、1983年10月1日。借入金の額は、 1,500万円。20年ローンであるため、きちんと返済がされていれば、もうじき、返済が完了するみこみである。Sは、「まだ、銀行への返済が残っているので、売れない。」というが、Gは、あきらめなければならないか。ちなみに、登記簿には、Hの抵当権以外の登記はなされていない。
3. Gが、強制的な支払いを求めてくると気づいたSは、自らは借家住まいを行い、そこに、自分の知人Pを住まわせている。Pは、噂によると、広域暴力団に属しており、五匹もの大型犬を飼っている。こういう物件は、法律上、売却できない、という噂を耳にしたが、本当か。また、Gには、対抗手段はあるのか。
4. 当初、Sは敬虔なクリスチャンであると信じていたGは、このような事態になり、大変憤っている。Sはクリスチャンとはいえないと考えたGは、Sの所持する十字架を差し押さえようと考えている。(法律上)許されるか。金の十字架の場合はどうか。
5. Sが、D銀行に、1500万円ものお金を、定期預金として預けていることがわかった。SはDからの借り入れはないらしい。そこで、Gは、D銀行から支払ってもらいたいと考えている。可能か。
6. そうこうしているうちに、G'なる人物があらわれ、「自分もSに 700万円貸しているので、D銀行から支払って欲しい。」と言ってきた。Gは、どうするか。ちなみに、G'の言っていることは、どうもうそくさい。
7. D銀行の窓口に出向いたところ、銀行の担当者は、「この定期預金は、満期まであと1年ありますので、今はお支払いできません。」という。Gとしては、いますぐにでも支払ってもらいたい。どうするか。
8. 5日後、再度D銀行にでかけたGは、D銀行の担当者から、「この1500万円の定期預金を担保に、Sさんは、昨日、1200万円の融資を受けられましたので、Gさんにはお支払いできません。」という。Gは、あきらめなけらばならないか。
9. そうこうするうちに、Sは、強制的な支払い手続すべてについて、「もう、Gからの借金はすべて返済したから、手続はとめてもらう。」と言っている。手続はとまるか。
10. 「D銀行の預金は、名義はSだが、本当は自分の預金である。」というPなる人物が現れた。どうなるか。
注:すべての設問に答えること。設例はフィクションである。根拠となる条文を示しつつ、説明すること。書き込みのない六法のみ持ち込みを許可する。A評価の答案のうち特に優れたものを、WWWで公表することを考えている。公表を希望しない者は、その旨、答案用紙に明記されたい。