1995年度(後期)民事訴訟法I 中間試験

1. 熊本県の郡部に住んでいるXは、仕事の関係でしばしば福岡市に出掛けてくる。そこで知り合ったYと意気投合し、Yのビジネスを助けるため、Yに、金1,000万円を貸与した(契約書はなく、簡単な借用書のみ)。ところが、その後、XとYとの関係が壊れたこともあり、Xは、貸付金の返還を求め、訴訟を起こしたいと考えている。Yは、福岡市に住んでおり、熊本には一度も足を踏み入れたことはなく、Yのビジネスも福岡でのみ行っていて、上記貸付に関する話し合いや金銭の受け渡し等、すべて、福岡で行われた。
 このような場合に、Xは、熊本地裁に、上記の訴訟を提起できるか。

2. XがYを相手に訴訟を提起したところ、その担当の裁判官AはYの伯父であり、BはYの訴訟代理人の夫の母であった。また訴訟の途中で、担当裁判官CとYとは、かつて内縁関係にあったことが判明した。その場合、
1) Xは、A、B、Cの交代を求めることができるか。
2) Xは、いつまでに、その申立を行わなければならないか。
3) Xがその申立を行った場合、どのような手続で、この申立が処理されるのか。


注  上記の設問のすべてに答えること。
 根拠となる条文を示しつつ、制度の全体像を説明しながら、個々の論点に答えること。
 書き込みのない六法のみ持ち込みを許可する。

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