||| 久屋孝夫のプロフィール |||


                              (2002年2月現在)


 西南学院大学文学部教授。専攻は社会言語学。ディジタル性に特徴づけられる言語的認知法の「有効と危険」に関心を寄せ、他方で「言葉狩り」や「ポリティカル・コレクトネス(PC)」と世直しの関係に関心を抱く。

 性差別などの言語化の様相を歴史的に研究。また「時間」概念の歴史的変容を辿りつつ、近代文明がおしつける「画一的時間」観(自然的時間を軽視し経済的時間に置き換える傾向)を批判。論文に「社会と言語と性差別」「宅配便・夜の地球」「自立と水平の場を拓く」「映画で学ぶアメリカ文化」など。

 「おちこぼし」か「おちこぼれ」か、「ねたきり」か「ねかせきり」か、ものごとは表現の仕方により、責任主体をあいまいにすることができる。「家庭内暴力」が「正義の鞭」とみなされた封建的「過去」から、泣き寝入りせず告発する「現在」への変化の背後に、人権意識の高揚や、古い価値観(男尊女卑・夫唱婦随・父兄)が新しい価値観(男女平等・保護者)からの挑戦を受けている事実がある。まさに、ことばと社会背景は相照らす「合わせ鏡」である。

 1948年島根県生れ。大学院生時代に結婚、4年間妻の扶養家族となる。1977年より福岡市に居住。同い年のパートナーと二人の娘(大5、高3)を「生み育て」ながら「ハウスハズバン道(どう)」を歩みつづける。自らの両親の介護・看取り体験ののち、現在パートナーの両親と同居、介護中。

 父母の会(保育所)、PTA活動歴20年。その他,自治会活動,まちづくり活動「讃壱会」,ひとにやさしい街づくりを考える「リックの会」会員。

 1960年代以降の家庭内での「三業分立」(*)が、他者への共感と自立の芽の両方をうばってきたと説く。会社中心で「いくじ(育児)なし」の日本の父と「あなたごのみ」に生きる日本の母と、「いい子」を演ずる日本の子どものおりなす家族のあやうさに警鐘を鳴らす。ケア&シェアのライフスタイルを提唱。

趣味など
スイミング、テニス、皿洗い、クッキング、ジャズ。

(*) 「三業分立」=「夫は残業・妻は家業・子は授業」という家庭内完全分業コース制のこと。

講演演題
私のハウスハズバン道(ドウ)
男のコケン(沽券)・女のコケン(個権)
女のねだん、男のねだん;パパのいくじ(育児)なし!
「オツムにおむつ」男たちへ
「川柳楽」からひと(女・男)を見れば



連絡先
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