川柳にこめた想い:ジェンダーフリー(バイアスフリー)の社会を! 最近二度ばかり川柳の選者をする経験をしました。川柳といっても一般的な川柳ではなく、「ジェンダーフリー」をテーマにした川柳です。川柳は江戸時代に生まれた、社会風刺や世相批判を得意とする、ユーモアまじりの575の短歌です。そこが季語を必要とする俳句とはおのずとちがいます。あくまで伝統に則り、自然の美しさに感動したり、現実をあるがままに受け止めて活写する俳句スタイルから逸脱して生まれた川柳は、まさに「ジェンダーフリー」という社会規範の見直しに有用な形式です。日本各地の男女平等センターが特に女性を抑圧する「ジェンダー」という怪物を見直そうとして設定した企画に私も乗せられまして、選者をする機会を得たというわけです。やってみるととてもおもしろい。 さて、ジェンダーとは環境によって創られた性、つまり「女らしさ、男らしさ」が、生まれる前から定まっている遺伝情報(こちらは生物学的に定まっているのでセックスと言います)ではなく、生れ落ちたあとの社会で人間の働きかけによって形成されるという考えです。 「○○らしく!」と口酸っぱく言われなければ維持できないような不安定な「らしさ」は、まさにそれが先天的な特質ではなく、教育やしつけの結果であることを証明しています。それは逆に生物学的に否定しようがない事実である「メスらしく」「オスらしく」などとだれかに言う必要がないのと同じぐらい自明のことです。しかしそれが充分理解されていません。 ジェンダーの具体例はこれからぞくぞく例が出てきます。そこで「ジェンダーフリー」の中身を学ぶことにしましょう。応募した全国の方々に感謝しながら、その作品を通して今の社会のありようを探ってみましょう。(ハウスハズバン道のシリーズの第2章としてしばらく続きます。) なお選者に選んでいただいた島根県女性センター「あすてらす」と前原市とこのシリーズに掲載させていただく全国からの応募者・作者に深甚の感謝を捧げます。 穴(〇〇)うめ川柳クイズ: 選択肢からお気に入りをひとつ選び,世相を解釈しなさい. (おことわり:選択肢の字余り,字足らず,悪しからずご容赦くださいませ} 構成は次の5つのセクションから成っています。 【A】家庭・地域・学校、【B】社会一般、【C】会社・職場、【D】意識・慣習、【E】共同参画 ―――【A】家庭・地域・学校――― @ 「母が出る 父の名前の 〇〇〇〇〇」 (大賞) {PTA,町内会,クレジットカード,電話口} はてさて、どれを入れても甲乙つけがたい名句になりそうです。しかも社会の現実をするどく切り取っていますね。家事育児老親介護などを、家庭や地域に関する「雑事」とまとめてしまうには女性に対してあまりに無礼なのですが、秘書的な業務、金にならない領域に、男たちが近づかないで済んでる現実をまさに鋭く指摘しています。(正解は「PTA」でした。「ピーティーエ」と5音節で読んでください。)「クレジットカード」の場合の上の句は「母が出す」でしょうね。夫のパンツを買いに行くのだから夫の名義のもので当然でしょ?ついでに、自分のも?そちらが圧倒的に多かったりして・・・。 関連句もごらんください: ★ 「保護者名 書く欄いつも ひとつきり」 さっきのクレジットカードと同じく、名義はいつも男、実働部隊はいつも女。舞台上は男、舞台裏は黒子の女、って図式はまだまだ地域、家庭にもはびこっていますね。はびこるのはいい「ゴキブリ亭主」ってことになってほしいもんです。 ★ 「参観日 女の視線 突きささる」 これは男が緊張する場面をうたったもの。男性にPTA参加がないのは、時間がなか(いそがしか)、せからしさ、そして、はずかしか、合計3つの「か」、つまり「3(さん)か」のせいで不参加です。多数男の中の女ひとりの心境を男も味わうべきじゃないですか。女の中に男が一人いて何が恥ずかしいんですか。私なんかむしろ嬉しいぐらいだ。逆に灰色スーツの男たちの中ではめまい・不整脈におそわれそう。要するに、女だ、男だっていちいち区別したり感じたりしなきゃいいんです。人を見たら、こいつは女か男かと疑心暗鬼になるのは頭が単純だからです。血液型だって4つに分けられるというのに二分法は単純すぎます。 ★ 「子育ての 失敗妻の せいにする」 それって「ママの遺伝子」のせいですか?一生懸命のママは「オッ」パイ「いっ」ぱいあげました!育児ノイローゼのママを助けなかったパパの「シッ」パイです。女が全力投球でさせられている家事育児を、男がちょっとでもすれば「家庭サービス」って、冗談じゃないでしょ。二人で作ったこどもなんだから、ふたりで育てなきゃ。男は授乳できない分、それを埋め合わせするためにも、あせってこどもとつきあわなきゃ。骨太い男の人生を他にだれが教えるの?子育てから逃げちゃ男失格だよ。もちろん会社に通ってる男たちは「おとこ」とも言えないんだけどね。もはや田んぼで力を発揮できないんだから。男の血と汗のしたたるかっこいい背中を息子に見せることがないんだから。それについてのあせりもあっていいはずだよ。 汗を出さずともよい。少しはあせりなさい!かわいい子どももあっというまに厄介な大人です.大人になってからしつけをしても,もう遅い。子どもから逆にいじめられます。オヤジ狩りです。小さいときにしつけるべきなのは犬だけじゃありません。人間こそはじめが肝心です。 29二重苦39…49… @@@@@@ A 〇〇〇〇て きた妻がいる 成功者 {尻に敷いて,泣かされ,叩かれて,我慢し,昼寝し,家出し} どれを入れてもいい句ですね。正解以外の選択肢を私が捻り出したんですから、当然です。さて問題は、どっちが加害者でどっちか被害者かということをあいまいにしちゃいけません。もちろん成功者が加害者、妻は被害者です。解釈の仕方によっては逆転もしかねません。例えば私の場合は・・・(夫を)尻に敷いてきた妻がいる成功者・・・って私です。そんなことした覚えがないと逆襲されそうです。本人にそのような自覚がない・・・だからいいんですよ。とにかく結果として、逆境が男を鍛えるってこともある。でもどっこい、平均的なカップルではその逆が普通でした。若い世代で変わりつつあることを期待していますが・・・。妻が「されて」きたことを男もされてみるなり。(正解は「泣かされて」) 会社につくすこともちょっと前までは大事でした。喜びでした。幸せでした。「滅私奉公」は戦前の価値観でしたが、戦後、バージョンアップされ、生き延びて、高度経済成長を助ける人生哲学になりました。ところが国際競争とリストラのせいで、それも命運が尽きようとしています。髪の毛が抜け落ちるほど会社のためにつくしても、会社のために手となり足となっても、最後は首となり、「無芸大食」ならぬ「無毛退職」という悲運に見舞われています。「滅私奉公」を信じてここまでやってきた自分が馬鹿だったと悔やむリストラ世代の怨念がたまっている世紀初めです。 関連句 ★ 「オレの金 オレの稼ぎだ オレの家」(入選) そう言い張る男がいて、それに負い目を感じる女がいて、世界はうまく回っているようで、だからいつフーフ間「下克上」が起こっても不思議じゃないんです。女がそばについていなきゃパンツもはけないくせに、いばるな男!食事時に「ママ」がいなくて「飯(ママ)」がもらえないとイライラというか不安というか落ち着かないくせに、いばるな男!そういうのを「オツムにおむつ男」って私は呼んでるんだよ。「おむつ男」に限って女を「私物」扱いしたがる、「おれのものだ」って。たいした稼ぎもないのに、家族を「食わしてやって」る、「飼ってや」って思ってる。ならお前、自分で家族に手料理作ってやってるのか、っていいたくなる。ツマからすれば愛しているからただでやってあげてるだけなのに、感謝の気持ちがない。こっちががまんしてりゃ付け上がる。平気で神経を逆なでする。介護保険法が成立して現実が見えてくる。愛していない他人が同じ家事・介護をすれば、とても高くつくんだよ。だからツマにも年俸払えよ。8年前の経済企画庁の計算では、「専業主婦」の一年間の労働はだいたい300万円に価するそうだ。だから300万円妻に渡したあとで、「だれが食わしてやっているのか」論争しようじゃないか。銀行口座振込みの金額を半分こに分けてから、議論しようじゃないか、と言おう。(300万円の根拠は、会社で賃労働する女性たちの平均年俸をあてがっただけといういい加減さなんだけれどね。) ★ 「理解ある 上司も家では お殿様」 どの世界にもタテマエとホンネのギャップ、理論と実践の差があるわけです。タテマエと理論は並みの頭の持ち主ならだいたい習得できますが、実践は悪銭なみで、なかなか身に着かないものです。タテマエだけでは生きられない。いばって出世しても、所詮会社を離れればただのヒトでございます。「おれは殿様だぞ」っていばっているうちに下克上、クーデターにより妻から離縁されずとも、ひとりさびしく孤独な死を遂げることは可能です、じゃなくて、相当確実です。現役時代にもらった年賀状の厚さがしきりに思い出されて、定年後の老体には堪えます。今じゃだれも呉れないんですから。頭も薄い、年賀状の束もうすい、飯は冷えてる、妻も冷えてる、ってなもんです。そういう想像がつく方は、今からでも遅くない、妻のしわを数えましょう。そして自分のしわも合わせて、額と額を擦り合わせ、これがほんとのしわわせ(しわよせかな?)妻のいいなりになりましょう。それを私は「妻人(サイジン)」と呼びます(広辞苑には載っていません,念のため)。夫の付き人を「夫人(フジン)」と言うのと対照すれば分りやすいでしょ。妻人になりきるのが成功者への道です。妻人は「才人」にも通じます。柔軟な生き方、処世術才覚をもつ人は、不確かな未来のリスクを避けることができます。 ★ 「強すぎる 女は演歌に 唄われず」 男好みの歌を男が作って、女に歌わせ、男が宣伝し、流行らせ、男が儲ける世界がメディア業界、音楽業界であった事実を浮き彫りにしています。女が世界を牛耳っていたら、価値観は180逆転しているでしょう。女に都合のいい歌が演歌で歌われ・・・とどのつまりは「あなた好みの男♪」になりたい・・・なんて,すばらしき新世界が登場することには残念ながらなりませんでした。とはいえ,若い人たちの感性は新たな歌を歌い始めています。男が牛耳っていたこの世界も,女性のシンガーソングライターの登場で代りつつあります。 歌を歌うというより、自分の人生そのものを歌にするってことですよ、そこが奥村ちよさんとちがうところです。(ちなみに「あなたごのみの女になりたい」と奥村ちよさんが歌っていた「恋の奴隷」の作詞者は阿久悠という男です。) 私は,強い女が好きです。強い男が好きです。強い人間が好きです。強い女とは,人生の節目節目で,人に頼らず,自分で決断できる「自己決定権」をきちんと行使できる女です。デートでもわりかんをする人です。考えても見ましょう。自分の人生だってどう生きるか決定するのがむずかしいのに,他人の人生に指図するどころじゃありませんよ。ひとりひとりが自分の人生の主人公です。他人に決定してもらうなんてうっとおしいじゃありませんか。 強い男とは,支えがなくても立っていられる人です。みなさんの予想に反して、サダム・フセインさん、ジョージ・ブッシュさん・キム・ジョンイルさん、小泉純一郎さん、いわゆる権力者のだれも強い男の範疇に入りません。なぜなら、部下や妻がいないと生きていけない孤独な人だからです。ほんとうに強い男は指図しません。命令しません。支配しません。肩書きや軍事力、暴力で人を脅したりしません。 宮沢賢治があの有名な詩群(「春と阿修羅」)で描いた,「欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている、寒さの夏はおろおろ歩き、みんなにデクノボーと呼ばれ」て、見た目には強そうに見えない人間こそ、私の考える強い人です。(ちなみに宮沢賢治は自身が病弱で37歳で亡くなったぐらいでしたから、そのような生き方に対する強い憧れがあったのでしょう。)柔よく剛を制す、北風より太陽政策の勝ち,そういう人に私はなりたい,とつねづね思っております。家庭内暴力に走る男は弱い弱い弱虫です。おとなの姿をした子どもです。情けないことです。 自分は自立していると錯覚している男はたいへん多いけれど,それは大きな誤解です。妻がだれかと駆け落ちしたらおたおたするくせに。妻が家出したらおろおろするくせに。妻が夕食の時間にいないと,さびしくてパニックになるくせに。いっときも妻なしで生きられないくせに,いばるな男! 男性は経済的にはいちおう自立していると(百歩譲って)認めよう。でもそれ以上じゃない。生活的自立ができてないために、メシタキ女や洗濯女がいないと生きていけない。 妻がいないと怒り狂うのはその証拠です。(メシタキ女や洗濯女や専用の世話係がほしくて結婚したのですか?)その結果精神的に自立しているかどうかもあやしいものです。なぜなら妻に先立たれた夫が長生きしたためしがないからです。逆に、夫に先立たれた妻の生命力の強さ、これがほんとの強さです。ひとりになった時にどれだけの力が残っているか、胸に手を当てて自問自答してみましょう。ほんとに強いと自覚できた男だけがエラそーにしていましょ。そういう男は希少価値があります。 ★ 「ポットより 遠い私に 湯のみ出し」 自分のことさえ自分でできない男を非難する句です。そんな男に誰がした?って開き直りたい男性は多いと思います。良妻賢母しすぎた女のせいです、とまでは私は言いたくないんですが、結果的にそうなっておりますね。 さて、そこで女性がどう対応するかで、男の運命が決まります。もちろんあなたの人生も決まります。「お茶ぐらい自分で飲んでくださいよ,私はあなたの部下じゃないんですから!」バッドですね。「たまには自分でしてみたらどうですか?」グッドですね。「たまには私に淹れてくれてもいいでしょ?私が先に逝くってこともあるかもしれないし」ベターですね。ずばり「死ぬ前に是非一度あなたの淹れたお茶が飲んでみたい。」ベストですね。「40年苦労の連続だったけど、これで私が先立っても、いい想い出をもって死ねるわ、ありがとう!」と付け加えることを忘れないでくださいね。たった一回のお茶ぐらいでちゃらにするなんて、腸(はらわた)が煮え返るくらいでしょけれど。それとも、カチンと来て離婚請求しますか。「夫殺すにゃ刃物は要らぬ、三行半を書けばいい」という結論でございます。 私的には――私の父は足軽男、別名「腰軽男」でした。口よりも体が動く父でした。「まめ男(お)」でした。ぼーとしている(おっとりしている)母の代わりに気付きの早い父がお茶の接待係だったからです。7年以上も前に死にました。あの素早い腰の動きが止まってしまいました。涙が出ました。母親もほとんど時期を同じくして死にました。相思相愛の仲だったんですね。涙が出ました。それがせめてもの慰めです。 両親が生きていれば、妻の両親「舅・姑」と同居することもなかったでしょう。運命は皮肉です。運命は試練をわれに与えました。親孝行したい時に実の親はなく,したくないのに義理の親がいる…もちろん真面目な冗談ですよ。 元に戻って、血のつながった父母のどちらも死因はガンでした。私もガンで死ぬでしょう。最近肝臓腫瘍の手術をしました。そろそろ再発するはずです。父はいわゆる「婿養子」でした。婿入りしてめでたく第一子に私という賢い息子を産んだのに、人並みにさんざん「婿いびり」され、一時は離婚も考えた、でもおまえという子がいたから我慢した、と死ぬ前に言っておりました。よほど悔しかったのでしょうね。父の「婿心」がいじましいです。涙が出ます。真似できないほどすばらしいおやじの長所は、高齢化しボケた姑(私の祖母)をいびり返して復讐するどころか、実の娘の母の代りに,彼女の下の世話をしたことです。私にはできません。父は料理も得意でした。私の想い出には「おふくろの味」がありません。でも「おやじの味」があります。あんかけ風中華煮込み料理です。おいしくて涙が出ます。私にも娘のために「おやじの味」を伝えます。それは具沢山の焼きサバちらし寿しです(サバは具のひとつに過ぎません)。こころにズシっときます。何杯もお代わりするから腹にもズシっときます。だからむすめ二人から感謝されます。私は死んでも私の想い出は「おやじの味」として末永く娘たち(二人います)にまとわりつくでしょう。 @@@@@ B 法事の日 用意されてた 〇〇〇〇(き) {割烹着,訪問着,竹箒,詰め将棋,更年期} ★法事の日女ばかりがあたふたし ★女性にはジュース配られ忘年会 飲む打つ買う男性は減っております。世間の男性を見る目がけわしいからです。他方、飲む打つ吸う女性が増えております。これまでそれらを禁じられていたから、その反動ですね。そんな変化に対応できない男性は、やはり女性を子ども扱いして、飴玉やキャンデーやジュースで誤魔化そうとしています。冗談じゃありません。男だからって酒が飲めるわけではありません。女だからって酒が飲めないわけじゃありません。下戸と上戸の分かれ目はアセトアルデヒドを分解できる遺伝子構造をもっているかどうかです。男性女性じゃありません。ゲノム解析でわかった厳粛なる科学的真実です。 ちなみに私は下戸です。肝臓を傷めているので三年前から酒は一滴も飲みません。煙草もこの三十年間吸っていません。吸うのはきれいな空気と決めています。タバコをすわなくてもイライラすることはありません。人生タバコごときに頼らずとも、いろいろ楽しいことがたくさんあります。タバコをやめて楽しいことを探しましょう。タバコ依存症と仕事依存症は比例することが多いようです。依存症は中毒です。仕事もほどほどにしとかなくっちゃ。仕事の海に溺れちゃいけないよ。 C 家事育児 男がやると 〇〇〇めき {作業,事業,起業,偉業,苦行,修行} そうなんです。家事育児を男がやると家庭サービス?冗談じゃない… (正解は偉業でした。) D 「コーヒーと 言えば出てくる 〇〇あわせ」 {ふし,かお,くい,つめ,はち,まに,もり,だき,うめ (字余り)せなか,むかい,めぐり,となり} 私がもっとも好きな句のひとつです。(正解は「ふしあわせ」。)えっ、どーして?と他の審査員にはピンとこなかった句なのに、私にはその句の背景が瞬時に伝わってきました。「フロ」「メシ」「ネル」「コーヒー」と言えば夢がかなうことがどーして「しあわせ」じゃなくて「ふしあわせ」なの? 最近友人二人がつれあいを亡くしてしまいました。まだ50前後です。つれあいは妻です。残されたのは夫と息子たち、つまり男所帯です。平均年齢で言えば、夫に先立たれた妻は8年長生きをすることになっております。日本人の平均寿命は世界一、5捨6入すれば、男が78歳、女が85才まで生きることになっております。しかし、あなたがそうなるとは決まっていません。ツマヨウジが手放せない方、妻に用事を言いつける方、リスクの大きい生活をしていますよ。それでいいんですか?妻がドロンしたら(アラン・ドロンと駆け落ちすること)、ひとりで生きていけますか?私はツマイラズ、「ツマは元気で留守がいい」を実感する今日このごろです。 E 男だけ 〇〇ないなんて 不公平 (特別賞) {泣け,履け,産め,飲め,かけ} 男にできることで、女にできないことがありますか?逆に女にできて、男にできないことがありますか?ほとんどないでしょう。子どもをお腹に宿せない,授乳できない――男 にできないことはこれぐらいでしょ。これとても例外があります。ちなみに、ペンギンは夫と妻が代る代る交代で卵を温めます。なんとほほえましいのでしょう。南極は寒いです。子どもを生かすも殺すも夫婦の協力です。夫婦喧嘩でもしようものなら、子々孫々は育たないのです。 もうひとつの例を出しましょう。タツノオトシゴです。英語ではシーホース「海馬」と言います。タッチャンはオスが子どもを産み育てます。メスの仕事は卵子を夫に渡すことです。かわいらしいじゃありませんか。男が子を産むんです。だから英語で、女性をウーマン(産まん)っていうわけじゃもちろんありません。 だからこそ、男にもかかわらず私は娘二人に授乳を試みました.小さな乳首を娘に差し出しました。我が子ながら賢いですね。一度目は吸い付いてきました。かわいいですね。父性愛に目覚めた瞬間です。でも二度目になると顔を背けます。私に似て賢いですね。経験によって人は何をした方がいいか,何をしない方がいいか学んでいくんです。 逆に女にできないことはまずないと断言できますよ。子どもは産める,育てる、宇宙飛行士にもなる、心臓外科医にもなれる。柔道国際試合十連覇。今まで男で十連覇ならずとも五連覇さえしてないじゃないですか。情けなか、ニッポン男児!どこに隠れてしまったの。そうスポーツ、体力勝負の世界でも女性パワー炸裂してます。男と威張ってみても、空威張り。今じゃ体力より知力の勝負ですか?ノーベル賞をとったニッポン男児はいるけど、ニッポン「女児」はいないじゃないか?グーの音(ね)も出ません。参りました、っていうのは早過ぎる。それは男のインモーです、じゃなくて、インボーです。春と秋の叙勲を報道する新聞記事を見てください。女の叙勲者が何人いますか、多く見積もっても男の一割ぐらいです、世間の批判を受けて女性の叙勲者を増やし始めましたが、それでもこの程度。理由は女性で叙勲に足る経歴の人がいない?冗談じゃありません。どんな基準で選ぶんですか。男は現役のうちから社会的名誉を与えられて、経済的にも優遇されてきました。これ以上勲章までほしがるんですか?いい加減にしろ…と私は言いたい。男が選ぶ叙勲者だから男が多いんです。女に選ばせなさい、しかも女の基準で選ぶんです。そうすると男は選ばれないでしょう。例えば、私は男には選ばれないでしょう。しかし女性には選ばれるかもしれません。男がくれると言っても私は拒否するでしょう。女性からやると言われればひれ伏してもらうでしょう。どんなプロジェクトにも、女性を半分入れて企画し、決定し、実行し、結果を検証すること、これが男女参画社会基本法の骨子です。女性の叙勲者が多数派にならない限り、男女平等が達成されたことにはなりません。 さて男が泣いて何が悪い?(実はこれが正解です。)悔し涙、嬉し涙、流して何が悪い。泣きましょう♪笑いましょう♪それが自然です。人は理性のみにて生きるにあらず、感情の動物でもあるんです。泣き笑いできる人でなくちゃ、人間じゃないし、男じゃない、女じゃない。犬が笑えますか?銀蝿が笑えますか。あなたはカバ以下ですか。 スカート履いて何が悪い?そうです…女が膝を広げて何が悪い?パンツはいてりゃかまわない。男が膝を閉じてて何が悪い?スカートはいてりゃ男だって構いますよ。チャールズ皇太子さんもキルトってスコットランドの民族衣装(スカート)はく時は足を広げないでほしい…膝の角度はつまりTPOで決まるんです。 男だから、女だからで、適用する道徳を変えるのはダブル・スタンダード(二重基準)って、国際的にもっとも非難される「不道徳」です。国際的な道徳とは人間ならだれにでも平等に適用できるルールのことです。例外はありません。それに従って行動するのが国際人の基準です。 だからこそ江戸時代貝原益軒さんの「女大学」が批判されるんです。女「三十の得」でも,女「三重の得」でもございません。女「三従の徳」でございます。幼少のころは父に従い、嫁しては夫に従い、年老いては子(息子)に従い…ってあれです。女の一生は三人の男に仕えることだなんて、よくそんなことが言えたもんだな、って感心じゃなくって「寒心」しちゃいますよ。ったく。 ★「ワリカンと 言えぬ男の 空財布」 ★「伝票を 男の前に なぜ置くの?」 ワリカンでいいじゃないですか。たかがコーヒーおごってもらったぐらいで,負い目を感じたくないでしょ?だからワリカン。そんなことで、男風(かぜ)吹かせてどうすると?そういう男に限って結婚後は、妻を部下にするんです。おれが食わしてやってる、おれのおかげだ、そして「おれの女」だ、なんて錯覚して、日暮れをもって戒厳令をしくんですよ。男女平等と「戒厳令」は両立しません。目の前の得は一生の損です。エビでタイ(あなた自身)をつられないようにね、くれぐれも言っておきますよ、いいですか。(もう手遅れかもしれないが、再スタートということもなくはない可能性があるから) ★「男装は もてて女装は なぜもてぬ」 エリザベス2世の息子、チャールズさんはスカートはいてももててます。ダイアナと離婚したというのに、カミラとできちゃった。もう昔からできちゃっていたんだよね。だからダイアナが摂食障害にまでなったんだよ。スカートはいてももてる男はちゃんともててます。ズボンはいてももてないんだったら、はいちゃえ、スカートを。というんで、土俵の上ではくのが、化粧回し、あれはハーフスカートです。お尻が見えるスカートってかっこいい、と思うかどうかは別にして。スカートはいて何が悪い。おすもうさん、伝統という型にはまっているように見えて、スカートですからね。それにTバックまでつけてるんです。ええ、黒ふんどしのことですよ。進んでますよ、二言目には伝統といいながら、実はとってもアバンギャルドなこの世界。もちろん、別の場所で述べるように(「垢浮上」じゃなくて)「赤不浄」への中途半端なこだわりが私から言わせれば、腰砕け、逆効果。おすもうさんが腰痛に悩むのはそのせいです。 F 「お父さん たまには来てよ 〇〇〇〇(び)」 (特別賞) {給料日,参観日,誕生日,店休日,生欠伸,砂遊び} お父さん、たまには仕事を休んで学校に行ってみましょう。つれあいだけに子育てを任せ切りにしないで。(正解は「参観日」)あなたがいなくても会社は動いていくんです。 あなたの代りはいくらでもいます、ってことを私が実感したのは、数ヶ月の入院生活でした。ちょうど42の厄年でした。忘れもしません。第1次湾岸戦争をテレビで実況していました。(第二次湾岸戦争が起こらなければと願います)その時学長が見舞いに来ました。そしておだやかにこう言いました。「ゆっくり養生してください。(代りはいくらでもいますから、無理しなくていいですよ)」まさか、後半のカッコの中のことばは私の言語学者としてのプロ的推測ですが,当たっているはずです。ちなみに、治療費は自分持ちでした。お見舞いは口だけです。会社のために過労で倒れたというのに、所詮は自己管理能力に欠けるところがあったあんたが悪い、というのが現実の厳しさです。それを乗り越えてはや13年、子育てに添い遂げて、今では娘も18歳と23歳、私の手を離れました。あの青春は戻ってこない、私の青春返して〜っ、なんて思いません。あれだけ付き添ったから、もういいや、巣からさっさと羽ばたいていけ!と思ってます。 G 「黒と赤 男女で決まる 〇〇〇〇〇」 {ランドセル,ベビー服,バイシクル, } 最近では、ランドセルも何十色もあるんだそうですね。(正解はランドセル)しかし一般的には、まだまだ浸透していません。女が赤で、男は黒?それって「犬の卒倒」。女トイレはピンクのスカートマーク、男トイレはブルーのパンツルックマーク?それって「ワンパターン」。男トイレにもオムツ換えのベビーシートがある時代ですよ、いったいどうしたことですか。この怠惰な分け方は! 特にランドセルの色やベビー服はじいちゃんばあちゃんの古い美意識で決定されるプレゼントとしてみなさんの前に現れることが多いだけに、色を前以て好きな色を、性別にかかわらず選択する力を養っておくべきです。ちなみに私が好きな色は(いろんな彩度の)パープル、ワインレッド、オレンジ、鮮やかなグリーン、淡いピンク、サーモンピンク、渋いアースカラーなどです。いろんな色を身につけることで、いつもと異なる自分の気分を満喫できるし、何よりも周囲の人々に威圧感を与えないというメリットがあります。黒や紺やグレーの保護色では人生ゆたかにはなりませんし、なによりも周囲に威圧感を与えます。軍隊の服の色をごらんなさい。迷彩色はジャングルや草原の保護色です。グレーは会社の鎧(よろい)です、そして保護色です。個人として目立たせない高度な戦略です会社を離れても、保護色で生きていますっていう方、多いですね。いい加減にしてください。 ちなみにフランス,ルイ王朝時代の男性のきらびやかなファッションをごらんなさい。女だけじゃありませんよ。ファッションにうつつをぬかすのは。男もファッションに趣向をこらす時代があったのです。モモタロウの物語じゃございませんが,鳥の孔雀(くじゃく)をごらんなさい。オスのほうが派手です。ピーコックと言います。メスの方が地味です。ピーヘンと呼びます。ライオンをごらんください。たてがみが立派なのはどちらですか。オスでしょ。そうです、人間以外の動物では、オスが派手です。メスが地味です。もっと男らしくせな!と思う男たちよ、動物の原点に戻れ!メスの気を引くためには、結婚したければ、オスらしく着飾れ!っとこうなるわけでございます。 関連句 ★「黒が好き 赤はきらいな 女です」(特別賞) そうそう、女性も赤を押しつけられたら、たまったもんじゃありませんね。黒を選ぶとくろー(苦労)するなんて、ことば遊びだけにしてもらいたいもんですが、前に述べたように、 H 〇〇〇風呂 少し大きな 旅の宿 {露天,男,女,家族,五右衛門} ―――【B】社会一般――― @ 〇〇〇〇を 女性の地位に 履かせたい {厚底,厚化粧?, } ★家事すべて介護保険では値段つき A 〇〇〇(か)は 男社会の 置き土産 {少子化,高齢化,女性化,ド演歌,忙しか,動脈硬化} ―――【C】会社・職場――― @ 妻だけが ひっそり辞めた 〇〇〇〇(ん) {社内婚,乾し大根,退職金,無欠勤,無力感,世の習慣} ここからが1960年代以降急激に広まった性別役割分業というライフスタイルの分析です。結婚大食や出産大食ではございません。結婚退職、出産退職が女性に押し付けられた時代がまだまだ続いているのでございます。(正解は「社内婚」です。) 女は愛嬌・料理・洗濯・ババ(ロア)付き、男は度胸残業名刺付きというのは高度経済成長期に形作られたライフスタイルだったんです。特に肩書き、経済力を男の徴とみなす風潮は、賃労働さえすれば、一人前という悪しき習慣を生み出してしまいました。実は、男が働けば、何をしてもチン労働なんです。家事をしてもチン労働、育児をしてもチン労働、PTAもチン労働。ところが女は会社で働いても無チン労働。生物学的な違いを賃金差別の正当化の理由にされた結果、女性の給料は男の半分程度です。馬鹿にするな。それなのに、男はそれをはきちがえて、チンあるのが偉い証拠だと信じてしまいました。裏と表を間違えているんです。表の男が偉くて、裏の女は馬鹿だ。そんなことあるもんかい。あんたも明日はただの人。いつまでもあると思うな名刺と金。男の多くは「名刺顔」で生きてきました。能力があるためまるで「能面」のような顔です。生きているのか死にそうなのか、嬉しいのか哀しいのか、笑っているのか怒っているのか、まるで区別できないような顔です。会社でノーといえない長い人生の中で「ノー面」は「習い性となる」。いっさい表情を出さないまま人生を終えるのです。しかし、いつまでも名刺顔ではいられないよ、これが私の男たちへのエールです。 A 仕事より 〇〇〇のなさを 注意され(福岡) {愛想,独創,理想, } B 〇〇上げぬ 女の意見 なら聞くな {尻,腰,取り, } そんな態度だから、男はつまんないんです。だめなんです。消費者の意見を聞けばよかったのに。女性の声を聞けばよかったのに。取り返しがつきません。(正解は「取り」です。)弱い立場の声に真実があるんです。女(おんな)子どもの声に真実が含まれているんです。強い人の言いなりになる男たちも情けないですね。権力者のいいなりでは民主主義国家とは言えません。会社でノーが言えず、愚痴を会社の外でこぼす・・・みっともないじゃございせんか。 会社の不都合には口をつぐみ、仕事の手抜きをスッパぬかれた食品会社、たくさんの食中毒を凝りもせずくりかえした事件をみなさん忘れていませんよね。最近合併されて創った会社の「メグミルク」…赤いパックの牛乳を見て私は、会社男の手抜きを思い起こします。それと同時に、男の子育てにおける手抜きにもっともっと憤ってます。モノは手抜きしてもやり直し、「ご破算で願いましては!」が可能です。人間育ての手抜きにはやり直しがききませんよ。節目節目でしっかりかかわりをもたいないと、子どもは歪みます。いったん歪んだら、その歪みは簡単には直せません。場合によっては、会社を辞めてまで子に寄りそうことになるかもしれません。そうならないように、女の意見、聞いて謙虚に行動いたしましょう。 C 「均等法 あるから〇〇〇(つ) してるだけ」 {面接,親切,悶絶,拒絶,断絶} どれを入れても、世相を鋭く諷刺しているじゃあありませんか。 関連句 ★「控えめに していりゃ「やれ」と 叱られる」 ★「頑張れば 女だてらと 付く評価」 ★「有能の 代償つめたい 女(ひと)にされ」(入選) ★「敏腕の女性うわさに尾ひれつく」 これらは今でこそセクシャル・ハラスメントとして犯罪視されるようになった、女性に対する陰惨ないじめ以外の何者でもないのですが、そのように認知されるまでには、まさに女性たちの血みどろ、汗みどろ、プライバシーの侵害、ずたずたにされる心理的トラウマの代償によって勝ち得られたものだったんですね。 ★企画部を希望したのに秘書にされ(入選) ★平等であれば要らない均等法(入選) 女性を管理職に登用しないのは違法です、っていう判決はごく最近も新聞報道されてるんですが、半世紀も前に男女平等の憲法をもつこの国で一体どーして?と思いませんか。今時、裁判所の判決でそんなことが違法だなんて言われなければわからない会社があることに、不快感を感じます。ちょっと前には出産退職当たり前、もっと前には寿退社が当たり前…でした。だけど憲法にはない「規定」で憲法違反です。「慣習」「ならわし」に過ぎません。だけどそれがまかり通ってきたんですね。それを許さないひとりひとりでありたいな。 私の理想は、逆に女性が管理職を辞退するのも違法です、っていう時代になってほしいものですけどね。もちろん適材適所って表現になるとおり、性別に役割を決めないで、個性で、資質で、仕事を決めていくべきなんですけれども。女性にも、いろんな機会を与え、あるいは与えられ、その経験によって有能な人になりうる機会を自ら放棄してしてはいけません。放棄して、ただのほうきを持つ人になるべきではありません。 ―――【D】意識・慣習――― @ 「女には 〇〇と言うのも 女です」 (大賞) {無理,代理,不利,徳利,塗り,料理,生理} A 「〇〇という ことばで自分 縛ってる」 {嫁,妻,母,男,夫,父,会社} ★「酒飲める ことが言えずに 早五年」 ★「ママゴトの ママも家事する おそろしさ」 B 「〇〇〇〇を 言いつつ娘(こ)には 古い殻」 ジェンダー,フリーター;(字余り)ナンマイダー,インサイダー,コンピューター} ★「おいと呼ぶ 声に答えて 50年」 ★「おいと呼ぶ 夫に居ない ふりをする」 ★「キャリア積む 娘に母は 渋い顔」 ★「結婚と こどもに「まだ?」が つきまとい」 ―――【E】共同参画――― @ 「連れだって 立つ〇〇〇〇〇 狭くなり」 {台所,トイレット,大黒柱, } ★「家事をする 夫に倍の 手間かかる」 ★男性の料理にぎわう公民館 A「「主夫 」と書き 〇〇〇〇〇ねと 念押され」 (大賞) {無職です,ひもの暮らし,デモクラシー,ごくろーさん} ★「味付けが うまくなったと 妻がほめ」 ★「第二子の 育児休暇は パパが取り」 ★「大臣も 育児休暇を いかがです」 ★「家事します 育児もしますで プロポーズ」 B 「〇〇〇から 茶髪へ性差 なく育ち」 {ピアス,パンパース,ブラウス,ロン毛,白髪} C「二千年 やっと生れた 〇〇〇〇〇」 {女性知事,宇宙地図,レアチーズ,ブレアの子} ★「職場には 昔の名前で 出ています」 ★「知事さんに 相撲協会 待ったなし」 横山ノック知事はセクハラで知事職からノックアウト。横山ノックがけがれてなくて、だれがけがれてるんですか。それでも女がけがれていると言うんですか。北の湖理事長!!それなら敢えて言いましょう。女から血みどろ状態で産まれてくる人間を一人もすもう取りにするなよ!国技というなら、ハワイやトンガやモンゴルから連れてきた人間を相撲取りにするな! 「ことばはひとをつくる」クイズ: 下の文章(夫婦間の会話)をみて「こう思うことがある」、「こう言ったことがある」という例がいくつあるか数えてください。 @ 誰が育てたと思ってるの!誕生日もろくに覚えていないくせに!(娘が来年大学受験、子どもの進路をめぐって口論・・・) A 肝心なことはみんな私に決めさせるのね、会社でもそうなんでしょ!(「おまえに任せる」が口癖で、つい・・・) B 仕事、仕事っていうけど、定年になったらどうするつもり?(ゴールデンウィークも出勤で家族旅行がパーになって・・・) C 第二の人生って、始まってから考えても遅いのよ!もっと真剣に考えてよ!(老後の生活設計セミナーのパンフレットを集めている妻は、セミナーに一緒に行かせたいらしいが・・・気が進まない) D 私の人生、あなたの妻だけってわけじゃないのよ(妻の旧姓で届く手紙を発見、さりげなく訊くと・・・) E あなた、幸せ?どちらかだけが幸せな夫婦なんてないわよね?(なんて答えればいいんだ?) F 結局サラリーマン辞めると、老後の人生も妻任せになるのかしら?(「行きますか」と言えばついてくる。「お願いね」と言えば頼まれてくれる。ただし決して自分からはアイデアを言い出さない夫・・・) G 女々しいって思うのは、あなたの頭が固いからよ!(妻の昇進を機会に退職して専業主婦になった男性の新聞記事を読みながら・・・) H 私がボケたら、誰が面倒見てくれるのかしら?(ご近所には痴呆気味の妻を夫と息子が面倒見ている家庭がある。時々私の妻が食事を差し入れてあげている、「オレが看てやるよ」と言ったものの・・・自信はない) I もうお昼の時間なのね、じっとしててもお腹はすくのね?(12時になって食堂のテレビのスイッチを入れたら・・・) J 私が経済的に自立できないのなら、あなたは生活の自立ができないでしょうに!(夫婦喧嘩で「だったら出て行け、経済的自立もできないくせに」と言ったら・・・) K 私が先に逝ったら困るでしょ!(わかったよ、手伝いましょ、こりゃソフトな脅しだな) ―――今井森夫(編)『定年の夫に妻がふともらした本音』飛鳥新社,1995. 川柳<楽>から男女をみれば c2000 久屋孝夫 |