保険論
1.講義の内容
現代の保険現象は極めて複雑である。その理由は大きく2つある。一つは、多様な保険の経営形態(民間保険株式会社・民間保険相互会社、協同組合、公的機関)が多種の保険を供給することによる多種・多様な保険の存在である。もう一つは、特に近年ARTAlternative Risk Transfer)として取り上げられることの多い保険代替手段の発展による保険と金融の錯綜現象である。そこで、現代の保険学は、保険理論を駆使しつつも金融論、投資理論なども援用してこのような複雑な保険現象を解き明かすものでなくてはならない。そのためには、各種保険に共通する要素がなんであるか、換言すれば保険の本質把握をきちんと行った上で、各種保険を分類し、それらがどのように発展してきたのかを考察することが必要である。そこで、保険の本質・歴史を重視した講義を行う。講義の内容を理論、歴史に分けて進める。理論は、保険の2大原則(給付・反対給付均等の原則、収支相等の原則)を中心とした内容であり、前期に考察する。歴史は、経済的保障制度の歴史の中で保険の生成・発展を考察する。保険史は後期に考察するが、最後に保険各論として、損害保険、生命保険、社会保険に分けた考察を行う。
2.講義の主な項目(2004年度実績)
日付 |
実績 |
配布資料 |
1.4月14日 |
講義の説明(アンケート) |
アンケート用紙(回収)、資料:ガイダンス |
2.4月21日 |
アンケート結果 |
アンケート結果 |
3.4月28日 |
アンケート結果、保険の語義 |
資料No.2危険とは |
4.5月12日 |
危険とは、リスク対処法・経済的保障とリスク・マネジメントの経済的保障まで |
資料3リスク対処法・経済的保障とリスク・マネジメント |
5.5月19日 |
リスク対処法・経済的保障とリスク・マネジメント、保険の仕組み(保険団体まで) |
資料No.4保険の仕組み |
6.5月26日 |
保険の仕組み(続き)、ビデオ「助け合いの歴史」(アンケート「保険は助け合いの制度(相互扶助制度)か」 |
なし |
7.6月2日 |
時事問題(生保決算)、アンケート結果、保険の二大原則(大数法則まで) |
資料新聞の切り抜き(生保決算)、資料アンケート結果、資料No.5保険の二大原則 |
8.6月9日 |
保険の二大原則の復習、保険における相互扶助性(相互会社の株式会社化まで) |
資料No.6保険における相互扶助性、資料No.7保険経営 |
9.6月16日 |
保険における相互扶助性、保険経営(二大原則の発展的考察まで) |
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10.6月23日 |
保険経営 保険の定義・要件と成立の範囲(定義・要件まで) |
資料No.8保険の定義・要件と成立の範囲 |
11.6月30日 |
保険の定義・要件と成立の範囲 |
資料No.9保険業界 |
12.7月7日 |
保険業界(保険の分類まで) アンケート実施 |
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13.7月14日 |
保険業界 前期の講評、前期試験について |
保険業界関連資料として表1、2、3 |
14.9月29日 |
アンケート・前期試験の講評と後期の講義のガイダンス |
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15.10月6日 |
時事問題(自然災害に関わる保険金支払い急増)、保険史(予備的考察、条件付売買契約まで) |
新聞の切り抜き 資料No.10保険史、別紙1 |
16.10月13日 |
保険史(海上保険続き、終了) |
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17.10月20日 |
保険史(火災保険史、マールの学説批判まで) |
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18.10月27日 |
前回の復習、保険史(方法論的問題、生命保険史) |
台風による欠席者に配慮して、補足資料を使って、前回の復習。 |
19.11月10日 |
保険史(その他・救貧法から社会保険まで) |
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20.11月17日 |
保険史(経済的弱者向けの保険、20世紀の展開からドイツ社会保険まで) |
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21.11月24日 |
保険史(アメリカ団体保険、日本の保険史・火災保険途中まで) |
別紙2 |
22.12月1日 |
保険史(日本の保険史、火災保険続き・生命保険・社会保障、保険史まとめ図5まで) |
補足資料日本の保険史 |
23.12月8日 |
保険史(保険史のまとめ)、保険行政(改正保険業法の改正まで) |
資料No.11保険行政、資料No.9(再配布) |
24.12月15日 |
保険行政(続き)、損害保険(傷害保険まで) |
保険行政関連資料、新聞の切り抜き2種類、No.12損害保険資料 |
25.12月22日 |
損害保険(続き)、生命保険 |
資料No.13生命保険、新聞の切り抜き2枚 |
26.1月12日 |
社会保険、試験の話 |
資料No.14社会保険、新聞の切り抜き、厚生労働省資料 |