外書講読
1.講義の目的
日本語では得られない知識、情報、考え方を修得し、見識を広める。また、その学習方法を習得する。1990年代は冷戦の崩壊を受け経済社会のありようが大きく変化したが、21世紀早々米国同時多発テロが起き、1990年代の変化を受けた経済社会のありよう自体が問われているといえよう。こうした変化を資本主義社会の変化として捉え、日本経済、世界経済や社会のあり方といったものについて積極的に問いかけるために、welfare state(福祉国家)をキ―・ワードにして考察を進める。
外書講読Tでは、主として、福祉国家の動揺をテーマに思想的ポジションを問う形で福祉国家の問題を考える。こうしたやや普遍的な視点に対して外書講読Uでは、できるだけ最新の書物を使って足下の時代文脈を考察する。そのために、グローバリゼーションの観点から福祉国家の動揺を考える。
単なる文献翻訳ではなく、今進んでいる大きな変化に対して関心を持ち、自ら問題を設定し、主体的に解決策を考える高い意識を養いたい。また、自らの思想的ポジションに対する意識を高めたい。
なお、T、Uは相互補完的な関連があるため、両講義の受講が好ましいが、どちらか一方の選択でも受講可能である。
2.講義の内容
(1)テキスト(予定)
@外書講読T
Mishra,Ramish[1990],Welfare
State in Capitalist Society,Harvester Wheatsheaf.
ABo
Sodersten ed.[2004],Globalization and the
Welfare State, Palgrave Macmillan.
(2)授業の進め方
一人one sentenceずつ読んで、訳す。
3.評価
平常点および試験
参考文献(福祉国家、グローバリゼーションについての基礎知識を身に付けるための日本語の参考文献)
佐和隆光[2000],『市場主義の終焉』(岩波新書)岩波書店。
富永健一[2001],『社会変動の中の福祉国家』(中公新書)中央公論新社。
田中明彦[2003],『新しい中世―相互依存深まる世界システム』(日経ビジネス人文庫)日本経済新聞社。