3. 帽子を脱がないの? |
帽子は女性にとってはおしゃれの一部。男の中にもしゃれた帽子をかぶりこなしている若者も結構いる。しかし帽子と言うものはただかぶっていればいいというものではなく、そのかぶり方、脱ぎ方、持ち方などにもそれなりのマナーがあり、それをうまく守り、使いこなすしぐさを含めておしゃれといえるのではないだろうか。 紳士の国と言われるイギリスには古くから帽子に関するきちんとしたルールがあった。たとえば、もしその人物が家の中に入って来て、帽子を脱ぐようなら真の紳士。帽子を脱がないのなら紳士のふりをしている男。そして帽子をかぶっていない人物は、紳士のふりをすることさえあきらめている男だということがよく言われる。あるいは遠くから知人を見かけたら帽子を軽く持ち上げて会釈する。近くで会ったときは帽子を脱いで挨拶するのが基本である。 最近よく見かける光景は、授業中でも帽子を脱がない学生、レストランでもニットやキャップの帽子をかぶったまま食事をしている若者。テレビのトークショーで、帽子をかぶったままのタレント、会議や講演会場や映画館でも帽子をかぶったまま座っている中年男性など。もちろん昔とは生活スタイルもかなり変わっては来ているかもしれないが、いずれもマナーに反するし、周りに迷惑、不快感を与えている。室内では帽子を脱ぐというのは日本に限らず、どこの国でも守るべきエチケットだと思うのだが。 女性の場合、帽子は服装の一部と見做されるのでかぶったままでいいとよく言われるが、それはあくまでも、いわゆる貴婦人がおしゃれをして社交をするときの話であり、日本のような国で、しかも、普段着の場面では当てはまらない。ましてつばの広い帽子をかぶったまま映画を見ている女性については品格というより人格を疑いたくなる。挨拶をする時、部屋に入ったら帽子を脱ぐのがマナーだということを忘れないように。 |
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