大学卒業後、三井銀行に就職し、出納、預金、融資など銀行基本業務に携わりました。仕事をする過程でより専門的な知識の必要性を痛感し、31歳の時、社会経済生産性本部の行内選抜試験を受け、合格し、経営コンサルタントに必要な生産管理、財務分析などの手法を座学、診断実習を通して身に付けました。より多くの銀行顧客にこのスキルを役立てるよう、総合研究所に出向し、延べ1000社の中堅・中小企業のコンサルティング、研修活動などに従事しました。
国際開発に興味を持ったのは、総合研究所に在籍中、パナマへの国連開発計画の案件を担当したのがきっかけでした。言語、考え方の違いのある異文化の中での仕事は予測できない難しさがありますが、やりがいがあると魅力を感じました。語学はもとより国際開発関係の専門スキルを身につけるため、41歳の時ハーバード大学ロースクールに客員研究員として留学し、各国の第一線の研究者と共に、開発途上国の援助について徹底的に研究しました。学生時代の数十倍勉強したと思います。
現在は大学で教鞭をとる傍ら、外務省のODA評価有識者会議メンバー(9人)の1人に任ぜられ、日本の政府開発援助(ODA)評価主任、現地調査団長としてODA政策評価を行っています。これまで、ヨルダン(03年)、ウズベキスタン、カザフスタン(04年)、ケニア(05年)の評価を実施しました。現地調査では各国の大臣や副首相と会い、被援助国の立場を聴取し、また国際機関や日本の現地援助機関、NGOにも意見を求めます。さらにODAの現場をしっかりと視察し、現状を把握したうえで評価を行います。ODAは日本の税金を主な財源としていますので、国民に説明責任を果たすためにはまず正確な理解が不可欠なのです。
2000年からほぼ毎年、ゼミ生と共にタイ、カンボジアを訪問しています。学生達は、中進国と低開発国の違いに驚き、また、カンボジアでインターネットカフェが大繁盛しながら日常生活が貧しいという状況にまごついています。この過程で、多面的な思考の必要性を学んでくれていると感じています。
大学時代は、テニス一色の日々でした。体育会に所属したことは、国内外で大変役立っています。体育会出身ということで、目的達成意識が強く、技量も高い人と判断されることがその理由です。また社会にはテニス愛好家が多く、テニスの話題ですぐ仲良くなれることもあります。
国際社会では「どこに所属しているかより何を発信するか」が重視されます。そのためには、学生時代、短期の効率だけを考えた勉強をするのではなく、多様な情報を元に、自分の考えを広げ、発信するための「使える学問」を身につけておいて欲しいと思います。そして、是非世界レベルで活躍してください。皆さんはその力をつける場にいるのですから。
期待しています。
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