SEINAN SPIRIT

No.223
今、私は、 学業に加え、スポーツやボランティアなど、さまざまな活動に熱心に打ち込む、学生の日常に密着。輝く姿の裏側にある努力と苦悩、そして熱い思いを、今ここに。

♯13 西南学院大生 x 国際模擬商事仲裁大会( Vis Moot ) 法学部国際関係法学科3年 砂坂 栞吏さん 鹿児島修学館高等学校出身 法学部国際関係法学科2年 荒木 優葵子さん(福岡高等学校出身)

高校の先輩の活躍に触発され 日本代表入りを目指す!

 “目に見えない障害”と言われる聴覚障がい者が競技に取り組む「デフスポーツ」をご存知でしょうか?デフ(deaf)とは英語で「聴覚障がい」という意味です。国際大会「デフリンピック」もあり、オリンピックと同様に4年に1度、夏季大会と冬季大会が開催されています。パラリンピックは1960年からのスタートですが、実はデフリンピックはそれより前の1924年にフランスで開催されたのが始まり。音が聞こえない選手のための旗やフラッシュランプといった視覚的アシストが施された環境下で開催されます。さらに、聴者のスポーツと比べ、聴覚障がいの程度によってさまざまですが、打球音や競技用具の音といった情報量の少なさや、情報取得までのタイムラグ、バランス感覚の障がいなどのハンデが発生します。その中で、選手たちは競技会場での補聴器、人工内耳を装着せず、選手同士聞こえない公平な立場で競い合います。
 私がバドミントンを始めたのは小学校6年生の時。そして、デフバドミントンの存在を知ったのは中学3年生の時でした。高校進学後、部活の先輩がデフバドミントンの国際大会に出場し、活躍している姿に触発され、“私もこの世界で挑戦してみたい”という思いが沸き起こりました。それをきっかけに、高校1年生の冬、日本代表のトライアウトの合宿に思い切って参加。それが、私とデフバドミントンとの出会いです。

聴者とのやり取りで葛藤。周りの理解を得る大切さを学ぶ。

 いざ、“日本代表選手として世界で活躍したい”と言っても、筋力アップや技術の向上、戦術の立て方など課題は山積みでした。高校生の頃は身体の使い方が下手で故障も多く、練習に打ち込めない日もありました。この経験から身体や筋肉の構造などを理解した上でフィジカルトレーニングの強化に重点を置くようになりました。
 また、聴者と一緒に練習する際、フェイスtoフェイスの会話(読話)が基本の私にとって、グループでの会話は難題です。練習をする上でコミュニケーションを取ることは必要不可欠。ジェスチャーを駆使してもなかなか会話に付いていけず、孤独感から思い悩んだ時期もありました。海外にいるような感覚には慣れています(笑)。しかし、試行錯誤する中で、分からないことを曖昧にせず、相手に伝えることの大切さを学びました。それと同時に、自身の障がいについてきちんと発信し、周囲の理解を得られるようもっと努力が必要であることも痛感。今では、バドミントンを通じて、理解のある聴者の方とたくさん出会うことができ、その一つひとつの出会いは私にとって一生の宝物になると確信しています。

22年秋開催の国際大会にて混合ダブルスで銀メダルを獲得。

 今年9月にタイで行われた「アジア太平洋デフバドミントン選手権大会」に日本代表として出場しました。混合ダブルスの決勝戦で強豪インドに敗れてしまったものの、初めてのペアで銀メダルを獲得できたことは本当にうれしかったです。今までご指導いただいた先生やコーチ、練習仲間など周りの方々に感謝しています。今後の課題も見えてきましたが、次に生かせるとても良い経験となりました。
 さらに、今回の国際大会に出場して、さまざまな国の人々とコミュニケーションを深められたことも貴重な経験でした。海外のろう(聴覚障がい)事情や文化について直接会話できたことで、もっと国際手話の技術を磨きたいという意欲も湧いてきました。
 今の目標は、2025年に東京開催が決定したデフリンピックの代表に入り、団体戦と個人戦でメダルを獲得することです。そのためにも、勉学と並行して練習を頑張ること、そして常に学び続ける姿勢と感謝の気持ちを忘れずに、目標に向かって努力していきます。

これからトライしたいこと

障がいに対する理解を深めるため
ボランティア活動にも積極的に参加。

全国で唯一の大学・大学院等高等教育機関で学ぶ聴覚障がい学生のための全国的組織「全日本ろう学生懇談会」九州支部の支部長を務めています。さらに、学内のバリアをなくし、学生が充実したキャンパスライフを送れるようサポートする学生団体「PEERS MEG」にも所属。社会福祉学科での学びを通して、世の中の障がいに対する理解を深めることを目標に活動しています。

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