SEINAN SPIRIT

No.221
今、私は、 学業に加え、スポーツやボランティアなど、さまざまな活動に熱心に打ち込む、学生の日常に密着。輝く姿の裏側にある努力と苦悩、そして熱い思いを、今ここに。

♯13 西南学院大生 x 国際模擬商事仲裁大会( Vis Moot ) 法学部国際関係法学科3年 砂坂 栞吏さん 鹿児島修学館高等学校出身 法学部国際関係法学科2年 荒木 優葵子さん(福岡高等学校出身)

 未来の法曹界を担う人材育成を目的に開催される「国際模擬商事仲裁大会」。この大会は、国際取引で生じる架空の紛争を題材に、仲裁のロールプレイを行う実戦型の取り組みです。西南学院大学は初出場となった2018年の日本大会から日本語の部で4連覇を達成するなど好成績を残しています。現在も九州の大学では、唯一大会に参加している「Seinan Vis Moot」の挑戦の様子と、大会への思いや今後の目標を伺いました。

活動の内容を教えてください。

砂坂「Seinan Vis Moot」では、年に1度、3・4月にウィーンと香港で開催される世界大会に向け、1年を通して準備と練習を重ねています。例年、10月頃に架空の紛争を題材にした問題が発表され、問題に対する事実関係の分析や判例を調査します。その後、申立人と被申立人の立場から30ページ以上にわたる準備書面(口頭弁論に先立ち、自己の弁論の内容を記した書類)を英語で作成。2月にその準備書面を提出し、残りの期間で大会に向けた口頭弁論の練習を行います。
荒木大会本番に向けた口頭弁論の練習も大変でしたが、それ以上に準備書面の作成に苦労しました。法律という専門分野に加え、問題の内容や作成する書面すべてが英語。その上、問題の規範に当てはまる判例を探すのもひと苦労です。準備書面を提出するまでの約4カ月間は、メンバー全員で議論を重ね、作成しては訂正を繰り返しました。
砂坂問題に出てくる国や地域は、架空のものですが、契約に関する争いについては国際連合条約(ウィーン売買条約/CISG)に従い、仲裁手続に関する争いについては、UNCITRAL国際商事仲裁モデル法と大会で定められた仲裁機関の仲裁規則に従って議論を展開しなければなりません。多岐にわたる情報を手掛かりに、物事を読み解く力、想像する力が求められます。「Seinan Vis Moot」には約20人のメンバーがいるため、多くのアイデアが出る反面、意見を集約することや準備状況を把握するのが困難です。一部のメンバーだけが突っ走ることなく誰一人取り残さないよう、密にコミュニケーションを取ることを心掛けました。
荒木弁論に正解はありません。だからこそ、全員の知恵を総動員して答えを導き出すことに意味があります。意見を出しやすい雰囲気を先輩たちがつくりあげているおかげで、練習へも楽しく取り組めています。

大会はどのように行われますか?

砂坂大会の口頭弁論は、世界大会では英語のみで行われますが、日本大会では日本語の部も置かれています。学生は2人1組となり、申立人、被申立人いずれかの立場となって2対2で仲裁人(=審査員)の前で60分間弁論を行います。仲裁人に対し、いかに説得力のある主張ができるかが勝敗の鍵となります。また、コロナ禍となり、2020年以降の大会はオンラインで行われるようになりました。
荒木オンラインでの開催といえども、緊張感があります。本番では頭が真っ白になり何も考えられない状況が想定されたので、原稿(提出した準備書面)を徹底的に暗記し、仲裁人からの質問に反射的に返すことができる状態を目指しました。海外の他大学チームとのオンライン練習試合や、メンバーに仲裁人役をお願いして瞬時に答える練習など、普段の練習で場数を踏み、あらかじめ想定される質問リストを用意するなど、できる限りの準備を重ねました。
砂坂日本大会には10チーム(大学)前後が出場しますが、ウィーン大会には世界各国の大学から350チーム以上、香港大会ではアジアの大学を中心に100チーム以上が参加します。世界大会では海外のチームのレベルの高さや国際取引法務の最前線に触れ、「もっと頑張らないと!」と良い刺激をもらいました。

2202年大会の結果、感想を教えてください。

荒木世界大会では、入賞できませんでしたが、日本大会の日本語部門では3位に入賞しました。大会に出場して、自分自身の課題も見えたので、次の大会に向け、今は知識を蓄えています。
砂坂1年生の時は、周りのメンバーのレベルの高さに圧倒され、部内選抜試合にエントリーすらしませんでした。今回、消極的な自分を奮い立たせ、練習に練習を重ねて大会に出場できたことは、とても感慨深かったです。3位という結果ではありましたが、努力が報われた気がしました。

2022年に出場したオンラインでの世界大会の様子

今後の目標を教えてください。

砂坂今年は私を含めた3年生が主体となる年です。英語も議論も得意ではなかった私には、活動に不安を覚える新入生の気持ちが痛いほどわかります。彼らの目線に立ったサポートを心掛け、「Seinan Vis Moot」の強みである“チーム力”を向上させたいです。そして、未だ日本の大学が果たせていない世界大会での決勝進出を目指し、チーム一丸となって取り組んでいきます!
荒木今年でチームに所属して2年目となる私は、先輩に与えてもらう側から新入生をサポートする側に。これからはもっとチームの運営に携わり、積極的にアイデアを出して、それぞれの思いがこもったチームにしていきたいです。そして、先輩たちが大切にしている“継”の意識。失敗してもみんなで改善するような良い循環を大切に、今後の活動も頑張っていきます。

これからトライしたいこと

行政法のゼミで学びを深める

所属する行政法のゼミでは、福岡市の施策を調査・評価するパブリックコメントに取り組んでいます。将来目指している公務員の仕事に通じる部分が多く、とてもやりがいがあります。今後も楽しみながらもっと学びを深めていきたいです。

「国際法×地域創生」の在り方を学ぶ

将来の目標は国土交通省に入り、国際関係と地域創生に関する事業に携わることです。現在は、FIWCというボランティア団体に所属し、福岡県・福智町でまちづくりの活動に参加したり、国際法を勉強したりとコツコツと活動を続けています。

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