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遺跡元寇防塁
元寇防塁研究に新視点を提供する重要な歴史遺産として、
その原状を復元しました。
 本学第1号館の新築にあたって元寇防塁の遺構が検出されました。体育館南側などに保存されている西新地区元寇防塁と同様に 2.4mの本体の両面を石積みで堅固に整え、中に粘土と砂を交互に詰めていました。石積みは基底部をわずかに残すほどのもので保存状態は良くありませんでしたが、石塁の南側に約1mの間隔をおいて幅1.5m、高さ1.3mほどの粘土と砂を交互に積み重ねた土塁を検出しました。つまりこの付近では元寇防塁は石塁と土塁の二列構造になっているという新たな事実が明らかとなったのです。二列構造の意味の解明は今後の調査事例に期待したいところですが、元寇防塁研究に新たな視点を提供する大きな成果を得たことになります。 その重要性を考え、本学は元寇防塁を移築保存し、理解を深めるために原状への復元を試みています。皆さんの参考になればと思っています。

出土した土塁は東西長さ20m。元寇防塁の遺構で土塁が発見されたのは今回が初めてです。土塁から見て北側(海岸線側)に並行して石塁の土台部分の石が所々に残っていました。「遺跡 元寇防塁」は、この遺構の一部を、出土した場所から約12m北東側へ移築し、復元したものです。


学内で確認された防塁遺構−西側から撮影
北条時宗が、二度目の蒙古襲来に備えて出した結論。
それが、防塁築造。
今から700年以上前、元の襲来に備え博多湾に沿って約20kmの海岸に築かれた元寇防塁。当時「石築地」と呼ばれたこの石塁が、2度にわたる暴風雨とともに、元の野望を打ち砕いたのでした。
 13世紀初めにチンギス・ハンによって統一され、アジアからヨーロッパにおよぶ史上最大のモンゴル帝国を築いたモンゴル族は、1271年に国号を元(大元)に改め、1279年には南宋を滅ぼすなどその支配圏を東アジア・東南アジアのほぼ全域に延ばしました。
 南宋の攻略がほぼ完了した1274(文永11)年と1281(弘安4)年の2度にわたって元は日本に遠征軍を送りましたが、いずれも失敗しました。鎌倉時代のなかばのことで、日本ではこの侵略事件を蒙古合戦・蒙古襲来・元寇、あるいは文永の役・弘安の役などとよんでいます。
 朝鮮半島にあった高麗を服属させた世祖フビライは、次に日本に対して朝貢と国交を迫りました。これに失敗すると、高麗兵を主力とする約28,000人の兵力で博多湾に侵寇し、日本軍と激戦を展開しましたが、たまたま大暴風雨で兵船が壊滅的打撃を受け、撤退しました(文永の役)。元の再襲を恐れた日本は博多湾岸の今津から香椎にいたる延長20kmにおよぶ石築地(元寇防塁)を築くなど、防衛体制を整えました。南宋を滅ぼした元は蒙古・漢・高麗人からなる東路軍と旧南宋軍を主力とする江南軍の計14万人の兵力で再び遠征してきましたが、この時も暴風によって兵船を失うなど、得るところなく撤退しています(弘安の役)。
 しかし元は日本遠征をあきらめず、3回目の出兵準備を進めていました。しかし、フビライの死によって断念しています。この当時、元の前線は延びきっていて、中国南方やベトナムなどで反乱があるなど、体制は万全ではありませんでした。東アジア・東南アジアではジャワとともに元の支配を免れた日本ですが、それは各地の元への抵抗運動や、遠征軍の主力が厭戦感をもつ被征服者の高麗軍や南宋軍であったことと無縁ではなかったと思われます。
幾つもの異なる素材と構造。
わずか半年で完成という驚異的な速さ。防塁はいかにして造られたのか。
 元寇防塁は、文永の役後に元の再度の襲来に備えて、鎌倉幕府が九州各国の御家人などに石築地役として所領1段につき1寸の割合で造らせた防衛施設です。今津から香椎まで約20kmにおよびますが、半年という短期間で築かせたため分担地域で同時着工の状況にあったと思われ、そのためか分担国によって築造の方法が異なっています。防塁の前面(海側)に石積みする点は共通しますが、大隅国や日向国が分担した今津地区では後面も石積みし内部に石材を詰める堅牢な造りになっており、肥後国が分担した生の松原地区では石積みは前面のみにとどまっています。そして、分担国不明の西新(百道)地区では、粘土で基礎工事を行い、防塁の両面を石積みで整え、中に粘土と砂を詰めて石材を節約しています。
月曜日〜金曜日:午前9時〜午後5時 
(夏季休暇中の公開は午前10時〜午後4時)

土曜日・日曜日・祝祭日の公開はありません。
大学事務局の休業中は公開しませんので、ご確認のうえおいでください。

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