「アメリカの社会形成と多文化主義」
アメリカ合衆国は世界各地から移住してきた人々によって形成されました。したがって、その歴史や社会形成を調べると多様な民族、宗教、文化が絡まりあっていることが分かります。この多様な関わりを踏まえつつ、そのどこかに焦点をしぼってアメリカを学びます。
塩野ゼミは「演習が大学における研究生活の中心を占める」という立場に立ちます。そこで、参加する学生には積極的なゼミ参加を求めています。文献講読及びゼミ1・2はいずれも担当者の発表と質問を中心に進めます。活発な論議がクラスを盛りあげます。食事会(アルコールを前提としないコンパ)や夏のゼミ合宿への出席も求めます。
塩野ゼミを履修する人は、次の科目を履修するように心がけてください。

1年次 基礎演習・文化基礎論(いずれもアメリカ・太平洋文化コースの科目)
文化のダイナミズム
2年次 専門演習1(アメリカ・太平洋文化コース)・アメリカ太平洋文化史・ 宗教学
3年次 演習1(専門演習U(アメリカ・太平洋文化コース)アメリカ宗教文化論・現代 アメリカ文化論・アメリカ思想文化論・アメリカ社会文化論
4年次 卒論演習(アメリカ・太平洋文化コース)卒業論文
共通科目 語学については英語を取っていれば、第2外国語の種類は問わない。
哲学・倫理学・キリスト教人間学A・Bは、3年次までに適宜取っておくことが望ましい。
「合衆国憲法と建国の理念」  「アメリカにおける女性の自立と離婚問題」  「ベトナム戦争においてメディアはどのような役割を果たしたか」  「クェーカーの平和活動」  「ユダヤ人とアメリカ経済」  「黒人霊歌に見るキリスト教」  「第二次世界大戦と日系アメリカ人」  「アメラジアンの教育問題」
「私は何と呼ばれてきたか」

中学・高校生の時、打ち込んだのは柔道だった。仲間は私を「同志社の三四郎」とか「無敵シオノ」と呼んだ。私はしかし、連勝を重ねることよりも地道な練習を続けることに意味を感じていた。実存的な問いの解決をキリスト教に得たのは、怪我で柔道ができなくなったのと同じ高校3年生の時だった。以来、情熱は実践的キリスト教に移る。

大学1年生の冬、高齢で仕事もできず橋の下に生活する「おっちゃん」と出会った。翌日からバス代をパンに代えて毎朝届け、キリストの心を語った。3年生の秋からは、家庭崩壊や被差別、スラムや貧困に苦しむ地域でボランティアを始めた。施設の責任者であった神父さんは、「この地域に希望はない」としみじみ話していた。その頃の私を友人は「君に笑みがあれば賀川豊彦だね」と言った。地域の苦しみが私を暗い青年にしていた。

経済学部から神学部に進み、牧師になった。滋賀県の大津で2年、愛媛県の宇和島と伊予吉田にある2教会で8年働いた。当時の私を「どた靴」とある信徒は呼んだ。毎日のように訪問に歩いた。病の床にある人、差別されている人、心を病む人、広い家にたった一人生活する老人、歩けば歩くほど待つ人たちは増えていった。ところが、ある事情で教会の牧師を続けられなくなる。

大学に戻ったのは、打ちのめされた事がらを乗り越えないと本当には生きることができないと考えたからだ。生きるために研究に打ち込み、博士論文を書き上げた。どういう訳か、ある大学から非常勤講師を依頼された。その大学で新鮮な感動に出会うことになる。学生たちはたくましく、着実に成長し、問題を克服していった。教えるとは彼らの成長を共に喜ぶことであった。響き合う喜びの中にまばゆいばかりの光があり、それは新しい可能性を示唆していた。

私を育てたのはキリスト教教育である。かつて育てられた教育に従事すること、これが学生たちから教えられた新しい可能性である。その教育に打ち込み、学生と希望を見出し語り合うために西南学院大学に来た。1993年春のことである。西南学院大学に来てから、新しい呼び名をまだ聞かない。
斎藤 眞
「アメリカとは何か」平凡社
興味深いテーマごとにアメリカに関する理解を深めることができる1冊です。

松尾弌之
「民族から読みとくアメリカ」講談社
多民族国家アメリカを各民族の現実から理解するためにお勧めの1冊です。

大西直樹
「ニューイングランドの宗教と社会」彩流社
アメリカの社会形成を考える上で見逃せない1冊です。

R.ニーバー、柴田史子訳
「アメリカ型キリスト教の社会的起源」ヨルダン社
アメリカ社会とキリスト教の関わりを解き明かす古典の1冊です。
SEINAN FRONT LINE ゼミナール紹介
http://www.seinan-gu.ac.jp/daigaku/goods/spirit/2001summer/face/front.html