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| 音と時間の表象
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「あなたが好きな音楽について語ってください」。このシンプルな問いかけを受けて、あなたは、音楽そのものについて語ることができますか?むしろ、好きな曲の歌詞や歌い手あるいは作曲者のソウルについて語ってしまいがちではないでしょうか。
音や時間の表象は、私たちの心を満たし、心を掴み、心を別の世界へ連れて行くような、大きな力を持っていますが、訓練しないと、とらえどころのない(みつけにくい)研究領域でもあります。自分を音楽に預けながらも、自分を失わずに、音と時間の表象に迫ってみませんか。 |
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このゼミでは、音楽作品や映像作品を成り立たせている要素の多面性について学び、その存在基盤となっている時間の諸相を捉えることにチャレンジしていきます。
もちろん、個々の研究課題は、もっと精細にならざるを得ません。8ビートと16ビートの識別の手がかりは何か、ある楽曲のオリジナル録音とカバー録音の違いは社会のどんな変化を反映しているのか等々です。各自の特技やバックグラウンドを最大限に生かして、自分なりの表象論をみつけられるように、じっくり訓練しましょう。
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「美術史」、「音楽史」、「表象文化論」、「表象メディア論」、「文化創造論」、 各地域の「文化史」
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西南学院大学の卒論ゼミは未担当です。下記A群・B群には前任校(九州大学芸術工学部音響設計学科)での卒論テーマを挙げます。C群は、A・Bに追加しつつ、西南で今後新たにとりくみたい架空の卒論テーマ例です。
A.演奏の文化史、音響機器の文化史
(ア) ある楽曲の録音数十点を聴き比べ、演奏様式の変化について分析する。
(イ) スピーカーの広告数十年分を収集し、形状やキャッチコピーの分析を通して、「空間に音を備えつける意識」の変化をたどる。
B.音楽作品・映像作品の分析
(ア) ある楽曲の分析例数点を比較し、自分なりの分析視点を構成する。
(イ) ミュージックビデオで視覚的内容と聴覚的内容を記述し、全体としてどのように表現活動が行われているのかを語る。
C.上演芸術の支援
(ア) 上演芸術(あるいは上演-展示一体型)の表現活動をサポートする。
(イ) 今日の芸術文化をめぐる政策的諸問題・経済的諸問題について調査分析する。 |
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東京都町田市、千葉県木更津市、同我孫子市などでピアノ三昧の子供生活を過ごしました。家政教育を特色とする大妻多摩高校に入学し、理数コースで学びました。裁縫は得意なのに料理は苦手なので、家庭科の成績は学期ごとに極端にガタガタでした。後者は今後の重要課題です。
学生時代の専攻は楽理科でした(東京芸術大学音楽研究科音楽学専攻)。19〜20世紀の西洋音楽文化について学びました。学部卒業後は、高校で音楽の教員として働くことで、大学院修士課程の学費をゲットし、「文化政策」という新たな研究課題にも目覚めました。またこの頃から音楽批評に取り組み始めました。その後、九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)で7年間、助手として働きました。その間に、関心が音楽から映像へと広がり、カナダの実験アニメーションについて研究して、博士号をとりました。
何かのために働く体験は、その何かを離れても、研究のよすがになると実感しています。西南学院大学でも、目と耳、そして手と足を動かして、教育研究にあたりたいと思っています。
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■M.マクルーハン『メディア論──人間の拡張の諸相』(Marshall McLuhan, Understanding media : the extensions of man, McGraw-Hill, 1964)栗原裕・河本仲聖訳、みすず書房、1987
■R.M.シェーファー『世界の調律──サウンドスケープとはなにか』(R. Murray Schafer, The tuning of the world, Knopf, 1977)鳥越けい子・庄野泰子・若尾裕訳、平凡社、1986
文明批評家マクルーハンと作曲家シェーファーの代表的著作。師弟関係にあった彼らの文章は、いつもぐにゃぐにゃと波打って、時には主題が不分明に思えることさえあります。長らく意識されてこなかったことを初めて言語化するチャレンジが、感性の肌理を丁寧にたどる姿勢によって為されたのだということを、痛いほど感じさせてくれる本です。
■三井徹編訳『ポピュラー音楽の研究』音楽之友社、1990
1981年に創刊された学術誌『Popular Music』から代表的な論文6本を選んで編集された本です。音楽分析の伝統的方法論をふまえつつも、レコード産業論や消費者分析など、音楽という芸能がいかにして社会・大衆の中で存在を確立していくかへの論点が集約されています。ポピュラー音楽の研究方法は、芸術音楽の研究者にも参照すべき点が大いにあります。
■R.シャルチエ『フランス革命の文化的起源』(Roger Chartier, Les origines culturelles de la Révolution française, Seuil, 1990)松浦義弘訳、岩波書店、1999
フランス革命は18世紀に啓蒙主義の高まりの中で人民主権論から発生したと、よく言われます。しかし、啓蒙主義が平等のためにある階級の人間を虐殺するというストーリーは、本来そのままでは受け入れがたい論理ではないでしょうか。こうした論理がなぜ成立したのかを考えるために、シャルチエは当時の宗教から政治まであらゆる文化的表象をつぶさに調べています。キリスト教の位置づけ、王の身体のイメージ、新聞の挿絵印刷技術、「哲学書」という言葉が指していたもの、学者の就職難など、いずれも18世紀フランスという限られた区域内での文化的表象が扱われていますが、それを読むことは、現代の文化的表象を考える上でも響きあうものがあります。
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