現代の文化と人間の探求
近現代の文化の本質は何か、そしてその中に生きる我々人間とは何なのかを考えていきます。
20世紀は学問の精密化と専門分化が急速に進みました。しかしそれは人間というものを断片的に捉える見方が一般化する歴史でもありました。今後もこの流れは続くでしょう。しかしそれと同時に、21世紀には総合的な学問やものの見方が必要とされてくると思います。そのような時代における知のあり方や人間の捉え方を考えていきたいと思います。

ゼミでは、現代における文化(科学や宗教を含む)とそこに生きる人間(伝統的な人間に対する見方と科学的な人間理解の関係の問題など)について、比較文化的な手法を取り入れながら探求していきます。
必修科目は1・2年生のうちに履修を済ませて下さい(特に外国語)。思考力を養うような科目を履修するよう努めて下さい。哲学や比較文明論など。
「西洋と東洋の比較にみる「日本」―日本人の特有性と価値観―」
「個人主義と間人主義―これからの国際社会・日本の社会に生きる日本人―」
「フロムの愛の理論―人と愛と社会―」
「幸福論」
「国民の現実性の研究―古典的共同体との比較―」
「現代に見る「武士道」―女性を通して―」
「芸術作品のもつイデオロギー―平和のシンボルとしての『ゲルニカ』―」
「フィレンツェ・ルネサンスの精神と都市」
「北アイルランド問題の本質とはなにか ―「心の壁」を克服するために―」など
大学では理系と文系の両方に興味を抱き、20代に物理学を、30代に宗教学を学びました。京都および札幌で学生生活を送った後、西南学院大学に赴任しました。
「時間とは何か、永遠とは何か」といった問いや科学と宗教の関係に関心があります。
ピアノや合唱を趣味としています。
村上陽一郎
『文明の中の科学』(青土社)
「科学」や「文明」という概念の成立過程の考察から、それらの本質的な構造を明らかにしようとしたものです。

ティリッヒ
『生きる勇気』(『ティリッヒ著作集』(白水社) 第9巻に所収)
宗教哲学的な切り口で、人間存在の本質に迫ります。

木村敏
『人と人との間 精神病理学的日本論』(弘文堂)
ドイツ人と日本人の比較を通して、日本人の精神構造の特徴を浮き彫りにしています。

阿満利麿
『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)
日本人が自らを無宗教と意識するのはなぜか、その真相を明らかにしてくれます。

柳父章
『翻訳語成立事情』(岩波新書)
「恋愛」「自然」「自由」など、今日では馴染みのあることばが翻訳語として成立した事情 を振り返りながら、我々の思考のあり方を見つめます。
アカデミック・ウェブ
http://www.inatec.co.jp/index.html

キリスト教学関連リンク
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/christ/links.html