東アジアの思想文化の研究
中国を中心とした、日本・韓国などの漢字文化圏の諸国および諸地域における思想文化を、交渉史の観点から物質文化・精神文化についての具体的な個別問題に絞ってビデオ・画像・文献資料あるいはフィールドワークを通して考えていく。
本ゼミにおいて、東洋の思想文化を東アジアという特定の地に限定して設定したのはそれなりの理由がある。21世紀に入って我が国がまず仲良くしていかなければならないのは、近隣の東アジアの諸国ではなかろうか。学生諸君が中国・韓国の同世代の青年達と友人になるには、お互いの国の文化の共通性と相違性についての知識と理解が欠かせないと思うからである。

特に目を向けたいのは、古代に国家が形成された時期の相互の関係と東アジアの近代化の時期の相互影響を考えることである。とりわけ近代化(国民国家の形成)の違いを理解することが大切である。この2つの時期についての歴史的知識に基づいて、我々が東アジアの思想文化の相互関係を認識していくことこそが将来の恒久的な相互友好の礎となると思う。
1年次では、「地域文化基礎演習(秦漢の皇帝一その国家構想と対外政策)」第一外国語として、「中国語初級」を履修すること。2年次では、「漢文学AB」「東洋古典思想(三国志演義)」「中国語中級」「中国語会話」「東洋文化史」を履修する。共通科目の「哲学(4)(東アジア思想史)」は1,2年次で必ず履修すること。そのほか東アジアに関わる歴史・文学・政治・経済の科目はなるべく履修すること。余裕があれぱ、「韓国語」も履修すること。
「孔子像の変遷」「秦の始皇帝」「荘子の思想」「三国志の英雄たち」「中国文化における色彩と数字」「道教の歴史一五斗米道の形成と展開」「中国の飲食文化」「中国刑罰思想史」
今、集中的に研究しているのは、秦漢の思想史である。自己分析をすると、抽象的にものを考えるよりも視覚的に、あるいは味覚的に体験してはじめて納得するタイプの人間なのではないかと思う。専門としては、漢代のお墓の石壁に描かれた画像を見ながら当時の社会風俗をアレコレ考えると時間のたつのも忘れる。趣味としては、東アジアの映画・音楽・漫画(アニメも)に興味がある。中国茶が好きで、研究室にはウーロン茶・プーアル茶・緑茶があって、ゼミ生と一緒に飲んで銘柄の当てっこをしている。
森三樹三郎
『中国思想史』上下二冊(第三文明社レグルス文庫)
古代から清末までこれほどコンパクトにまとめた中国思想の通史はめずらしい。随所に著者のユニークな見解が述べられていて、何度読んでも啓発される。

金谷治
『論語』(岩波文庫)
孔子といえば儒教、儒教といえば封建的な悪しき道徳、そう決めつける前にぜひ一度通読してほしい。弟子たちの対話を通して人間味あふれる一人の人物が浮かび上がってくる。
中島敦の『弟子』(新潮文庫)と併読されることを希望する。

羅貫中
『三国志演義』
諸君が中国語や韓国語がわからなくっても、中国・韓国に行って諸葛孔明でももいい大好きなキャラクターを絵に描けば、たちまち意気投合、親友ができる。いろんな日本語訳があるが、小川環樹訳の『完訳三国志』(岩波文庫)全八冊をじっくり読んでほしい。
ヤフージャパンからヤフーチャイナに入って中国とのインターネットを楽しもう。