私たちがこのテーマを調査しようと考えたのは、授業で習ったtutoimentとvouvoiementの使い方が面白いと思ったことや、それが日本語の敬語のように相手との距離感を表していて使い方に気をつけなければいけないという点が似ているのではないかと考えたからです。
調査の下調べとして行ったこと
最初は幾つか興味のあるテーマがあったため的を絞っていくために周りの方へいろんなことを質問させてもらいました。質問したことは「フランス人と日本人のコミュニケーションのとりかたの違い」。これに対して答えていただいたことと授業で習ったことを合わせて興味を持ったのが、tuとvousの使い分けと丁寧さや礼儀に関しての意識でした。
ここでtuとvousの距離感の取り方(例えば同世代の人に初めて会ったときはtuという主語で話しかけるなど)は日本人とは似ているようで少し違って思えたので、書籍で「敬語」と「tutoiementとvouvoiement」についてしらべました。
<敬語>
日本の敬語コミュニケーション
誰かとコミュニケーションを取る際に考えなければならないことは、
〈だれが、だれに、だれのことを、いつ、どこで、どのような状況で、どのような気持ちで、何を、どのように伝え合うのか〉
ということだ。これらすべてが連動して敬語でのコミュニケーションが成り立つ。
このコミュニケーションの前提となる考え方や基本姿勢は
・相手を尊重しながら自己表現をしていくこと
・どんな表現がその場面に適しているのか
・相手や他者に対する様々な配慮を含めた丁寧さ である。
日本の敬語には、
・尊敬語【お…になる】
・謙譲語【…てさしあげる】
・丁寧語【ございます】
・美化語【お…】
などと呼ばれる語彙が多く、これがいわゆる言語体系をなしている。
参考文献 蒲谷 宏『敬語コミュニケーション』(朝倉書店)
<tutoiementとvouvoiement>
tuは「きみ、お前」、vousは丁寧に相手を表す「あなた」という意味である。
tu/vousの対立においては、tuが相手との親しい関係を前提にしている。一般的にはvousの方が丁寧であると言われているが、tuもまたvousとは異なった丁寧さをあらわすことができる。
参考文献 大橋 保夫『フランス語とはどういう言語か』(駿河台出版社)
このようにどちらも丁寧さをあらわすことばとして使われています。
そして日本でもフランスで行うアンケートの内容と同じ形でネットでアンケートを取りました・
対象:福岡大学と西南学院大学のフランス語専攻の学生
方法:ネットのアンケートサイトを作り,回答してもらう
機関:9月29日,30日
アンケートの内容と結果
初対面で同世代の人に会った場合,あなたは相手と話すときに敬語を使いますか?それとも敬語を使わずに話しますか?
コミュニケーションにおいて,日常生活であなたが大切にしていることは何ですか?
一般的に日本人は礼儀に厳しいと言われます。あなたはそう思いますか?また,その点に関してあなたが感じることは何ですか?
礼儀に関して心がけていることは何ですか?
最後に,あなたはフランスに対してどのようなイメージがありますか?
【結果】46人の学生に回答していただきました。
→敬語を使う…76.1% 敬語は使わない…28.3%
→最も多かった回答:「笑顔」「相手の目を見て話す」言葉以外の要素が多いようです。
→「日本人は礼儀に対して厳しいと思う」「礼儀を重んじることは日本の文化の中心」「礼儀にうるさいと思う。堅苦しいのは嫌だ」捉え方は様々ですが、「礼儀」が日本の伝統的文化と認識している人は多いようです。
→もっとも多かった回答:「相手の失礼にならないよう接すること」「挨拶やありがとうときちんと伝えること」「正しい敬語を使うこと」。
→様々な回答がありましたが、主に「思っていいることをはっきりと言う」「冷たい」「おしゃれ」「情熱的」という意見が見られました。
私たちはフランスのパリへ行き、9月2日〜5日の4日間
調査を行いました。
調査場所:パリ第4ソルボンヌ大学の大広場
調査時間:12:30〜13:30くらいの学生が昼食をとる時間
調査対象:大学生や大学の職員の方
調査方法:アンケート
初対面で同世代の人に会った場合、あなたは tu または vous のどちらを使いますか?
日常生活であなたが人と接するときに大事にしているコミュニケーション方法はなんですか?
日本人は礼儀にとても厳しい慣習があります。その点に関してあなたはどう思いますか?
礼儀に関してあなたが心がけていることは何かありますか?
最後に、あなたは日本に対してどのようなイメージがありますか?
いよいよ学生たちに声をかけるとなると緊張したし怖かったですがほとんどの方たちが快くアンケート用紙を受け取ってくれて、考え込んで回答してくれました。
私たちが日本から来たと聞くと興味を持っていろんなことを聞いてくれたり、日本の文化が好きでその授業を取っていると言ってくれる方もいました。
ソルボンヌ大学のギフトショップでは日本語を勉強している職員の方と出会い、いろんなお話をしました。とても流暢に日本語を話されていて、日本人でも難しいような敬語の言い回しを勉強されていることにびっくりしました!
【結果】40人の方に回答していただきました。
tutoiement・・・62.5% vouvoiement・・・27.5% 場合による・・・10.0%
多く見られた回答は、「tutoiementを使って話すこと」でした。
多かった回答:「いいと思う。尊敬する」「堅苦しいのはよくない」「冷たい」「フランスとは違う」
多かった回答:「他の人を尊敬すること」「気配り」「平等に接すること」「挨拶」
多かった回答:「真面目」「思いやりがある。親切」「縛られている」「とても礼儀正しいが厳しい」
Commentaire
Un dossier clair et intéressant.
Les résultats de l’enquête ne surprennent pas un lecteur français.
Il aurait pu être ajouté que le tutoiement est aussi utilisé quand un adulte s’adresse aux enfants tandis que les enfants sont censés vouvoyer les personnes adultes, même si l’on remarque que les plus jeunes ont des difficultés pour intégrer le vouvoiement.
Dans le monde du travail, les Français vouvoient rarement leurs supérieurs, bien que l’on puisse noter une évolution de ces relations et qu’il arrive que le supérieur demande à son équipe d'être tutoyé.
Au Japon cela semble beaucoup plus rare.
Ce travail aurait pu également être complété par une approche du monde de l’Internet, qui est très différent dans ses échanges. On remarque que sur les réseaux sociaux, sur les forums, dans les commentaires YouTube, par exemple, que le vouvoiement est très peu utilisé.
文章は分かりやすく面白いです。
アンケートの結果はフランス人の読者が驚くものではありません。
彼はその使用を加えられることができました。そして、たとえ彼らが最も若いものは形『vous』の使用を含むために困難を持っていると指摘するとしても、子供たちが大人に「vous」を使って話をすることになる間,大人は子どもに対して、『tu』を使います。
仕事の際には,フランス人は彼らの中で上下関係ががあるにもかかわらずめったに上司に『vous』を使いません。上司が仕事仲間に『tu』を使うように言っているのです。
日本では、それは非常に珍しいようです。
これはインターネット世界の接近によって補われることもできました。それは交流において非常に異なります。例えば社会的ネットワーク上で、フォーラムで、YouTubeのコメントにおいて、『vous』はほとんど使われていません。
感想
結果として,フランス語におけるtutoiementとvouvoiement,日本語の敬語に当たるものであり似た性質を持っていると考えていましたが,少し違っていることがわかりました。
これからコミュニケーションのシチュエーション別に人々がどのように言葉を使い分けているのかをくわしく学んでみたいと思います。