私は大学卒業後３年間、アルバイトをしながら予備校で旧司法試験の勉強をしていました。しかし、講座を聴き、論証パターンを暗記するだけではなかなか実力が付かず、試験でも思うような結果は出ませんでした。このときは何をしていいのかも分からず、不安や焦りばかりが募っていました。
　しかし、西南学院大学法科大学院に入学してからは熱意ある指導者と同じ目標に向かって努力する仲間に恵まれ、非常に充実した時間を過ごすことができました。西南は少人数制で学生同士の仲が良いことに加え、教授と学生の垣根も低いため、教授も学生も力を合わせて頑張ろう、という雰囲気がありました。
　研究者の先生方には、教科書を読んでいるだけでは理解しにくいところ、受験生が陥りがちな間違いについて重点的に指導していただきました。私は法科大学院の講義を聴いて初めて法律の奥深さ・おもしろさを知ることができました。実務家の先生方からは法律文書の作成方法・実務家の感覚などを教えていただきました。私にとっては実務系の科目で学ぶことのほとんどが新鮮で、早く実務に携わりたいという気持ちが強く沸きました。
　西南では正規の授業以外にも様々な取り組みが行われています。先生方はみな熱心で、学生が答案を書く力を鍛えられるように課外で指導してくださることもありましたし、自主ゼミの監督を引き受けていただいたこともありました。こうした指導の中で得た「具体的事実を重視し、シンプルに考える」という思考方法は本試験でも大いに役立ちました。３年次に上がる前の春休みには学生有志と各科目の担当教授で新司法試験の出題趣旨・ヒアリングの分析会議も行われました。これだけ学生の声に耳を傾けてくれる法科大学院はそうないのではないかと思います。
　交通の便がよく、施設も大変充実している上に、事務室の方々も学生のことを第一に考えて対応してくださるので、ストレスを感じることなく勉強に集中できた点も良かったと思います。膨大な自習時間なくして司法試験合格はあり得ない以上、利便性の高い施設の存在は非常に重要です。図書館は朝７時から開いています。私は試験直前期には朝７時過ぎに学校に行き、勉強する習慣をつけていたので本番でも朝から頭がすっきりした状態で試験に臨めました。
　このような恵まれた環境のおかげで、予備校時代には退屈でつらいだけだった勉強を楽しく続けることができました。そうして質の高い勉強を続けたことが合格に繋がったと確信しています。みなさんも西南で充実した学校生活を送り、合格を勝ち取ってください。
［2009年10月記す］