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入試課 > SEINAN PEOPLE :教授の研究 山田 順 准教授

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教授の研究

国際文化学部の学びの魅力の一つは、現場へ足を運び、歴史や文化を肌で体感するフィールドワーク、現場主義にあります。そのために、学生個人の研究旅行を奨励する奨学金制度や、歴史の痕跡を訪ねる企画調査旅行(「戦争を歩く」2017年度実施)など、学部独自の取り組みを行っています。イタリアのキリスト教考古学を研究する私のゼミでも、2015年から3年間、「体験型歴史講座」として、ローマの世界遺産歴史地区で発掘体験をするプログラムを実施しました。その現場は、古代ローマの遺跡コロッセオ(円形闘技場)から僅か500mほどの距離にある病院の敷地内。現存するルネサンス時代の薬局の地下7mから出土した、4世紀の小さな礼拝堂です。私が現場責任者としてこの礼拝堂を発掘調査した際、新たな壁画が出土し、その壁画の人物像の左目からローマ時代の青銅硬貨が見つかりました。当時の人々の習俗の痕跡が窺えます。学生にとっては、このような学術調査の現場に身を置き発掘に参加すること自体、貴重な体験です。過去の歴史をどのように捉えるかは、それを解釈する者の立場や思想によって異なり、大きな議論の余地があります。しかし、だからこそ、まず過去の歴史の現場に身を置き、「歴史を体験する」ことが大切な原点だと私は考えています。
 中学・高校時代までの歴史は、事件や戦争などを並べた年表的な歴史の学習と暗記が中心ですが、大学で学ぶ歴史はそれとは異なります。年表に記された歴史は、主に権力者の歴史であり、それは歴史を構成する一部にしか過ぎません。その背後には、名前は残らないが確実にその時代を生きた無数の一般庶民の生活が存在しており、それらを無視して歴史を捉えることは不可能です。庶民の歴史を掘り起こしながら、年表の事件史の合間を埋めていくことが、考古学の学問的価値のひとつなのです。ローマの地下の発掘現場に降り、過去の生活の場に身を置くという行為は、二千年の時の隔たりを体で感じながら、同時に、現在が過去と連続していること、私たちが足元に降り積もる「過去の時」を踏みしめながら今を生きていることを実感させてくれます。
 そうした過去と現在の連続性を体感することによって、現代社会が抱える問題や事象に対しても、単に今だけを切り取って考えるのではなく、過去との連続性のなかで過去に学びながら今を考えること、すなわち歴史的視点の重要性に気づかされます。過去の人たちが私たちに何を語りかけているか。現代を生きるヒントになるはずです。そして、いずれ私たちも過去となる時が来るでしょう。その時、次世代の人たちがしっかり生きていけるように、私たちは今、責任を持って生きているか。地球温暖化、環境破壊、原発や戦争など、現代人が直面する困難な問題への議論は、「過去に学び、未来に何を伝えるか」という、まさに歴史的視点を必要としているのです。そうした未来への社会的責任を自覚することもまた、国際文化学部の大切な学びの一つなのです。

国際文化学部 国際文化学科
山田 順 准教授

新たな一歩を進む君へ

狭い日本から飛び出して世界を見てみましょう。西南学院大学は留学生や海外で長く研究されてきた先生が多くいます。そうした人たちと交流し、何かに興味を持ったならば、その現場へ足を運んでください。今までにない新たな発見に出会えるはずです。

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