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入試課 > SEINAN PEOPLE :教授の研究 一谷 智子 教授

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教授の研究

21世紀は「環境の世紀」といわれ、環境問題は私たちが向き合わなければならない今日的な課題です。「環境」というと、科学的な学問を連想しがちですが、「文学」と「環境」の関わりは古く、そして密接です。

 人類最古の叙事詩といわれる『ギルガメッシュ』で自然破壊など現代に通じるテーマが描かれていたように、文学はその誕生の時から人間と環境が相互に与える影響について関心を向けてきました。また、環境保護の必読書といわれるレイチェル・カーソンの『沈黙の春』においては、化学物質の危険性を文学的に優れた表現で伝えたことで多くの人の心を捉え、環境保護運動を広めるきっかけとなりました。

 さらに、映画や演劇、音楽、漫画なども文学のひとつとして広く捉えると、環境をめぐる問題をテーマとした作品が数多く作られています。映画『アバター』や漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』は、人間と自然の共生を描いていたり、大ヒットした映画『シン・ゴジラ』は、日本が抱える最大の環境問題である放射能汚染や核エネルギーの問題に切り込んだ作品です。2016年にノーベル文学賞に輝いたボブ・ディランの「ひどい雨が降りそうなんだ」やマイケル・ジャクソンの「アース・ソング」、イーグルスの「失われた森を求めて」などロックやポップ・ソングにもエコロジーや環境に関するメッセージを読みとることができるでしょう。

 では、様々なメディアを通じて環境に関する情報が日々発信されている中で、「文学」を通して環境について考えることには、どのような意味があるのでしょうか。文学の、文学たる魅力は「想像力」にあります。作者が命を吹き込んだ言葉の力は想像を広げ、感情を伴って読者の心に浸透します。また「文学」は、時代や国境を越えて物語を共体験、追体験し、「共有」することを可能にします。環境問題に向き合おうとする時、資料やグラフに書かれた無機質な言葉や数字は、ともすると「情報」として処理されてしまいがちです。しかし、文学は環境問題のもたらす苦悩や痛みを読者にリアルに想像させ、問題意識を育むだけでなく、自分のこととして考えたり、自分に何が出来るのかを考え出し、行動する原動力にもなるのです。

 「文学は役に立たない」といわれることもありますが、答えの見えない課題に向き合おうとする時、必要となるのが想像力です。大学時代に優れた文学に出会い、じっくり作品を読み解くことで豊かな感性と批判的想像力を育んでください。そして、みなさん一人ひとりが持続可能な社会をつくる担い手になってほしいと願っています。

文学部 英文学科
一谷 智子 教授

新たな一歩を進む君へ

異文化や社会問題に広く関心を持ち、自分で感じて考える経験を大切にしてください。大学の授業やイベントはもちろんのこと、留学制度を活用するなどして、異なる文化や社会について知ることで、新しい価値観やものの見方を学んでほしいと思います。本学には、そのチャンスがあふれています。

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